押せ押せいけいけ、竜胆くん【梵天軸】

3 ページ3

『これじゃないもんっ！』


期間限定のスイーツが食べたくなったAは竜胆におねだりをする。
しかし期間限定なだけあってどこにも売っていなく、違うのを何種類買って行ったがもちろんお気に召さない。


「悪い····。色々探したんだけどなくてさ。これとか美味しそうだけど」


買ってきたスイーツを手に取り彼女の前に差し出すが『やだ····』と言って頬を膨らませた。


「わかった。探しに行ってくるから時間かかるけどいい？」


彼女の手を握り再確認。
気分屋だからすぐ意見はわかるし確認は大事だと、兄蘭で学んでいる竜胆。


『りんちゃん、行くの？』


竜胆が握った手を握り返し、少し怒った時に赤くした頬、首をコテっとし潤んだ瞳。
竜胆は大きく溜め息をつく。


「誘ってる？」

『違うよ』

「知ってる」


どストライクな顔でそんなことされたら、健全な男子は理性をなくすはず。
竜胆はもちろん我慢する。
スマホを操作し部下に連絡。スイーツ探しの旅に巻き込まれるのだ。


「部下に頼んだから」

『楽しみっ！』


ふふっと笑う彼女を竜胆は優しく頭を撫でた。



※半日後、スイーツは無事に見つかった。
しかし、その頃には竜胆が買ってきたスイーツでお腹いっぱいになっているオチつきである。




．

4→←2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す