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「怖かったな。もっとはやく見つけてやりたかった」
優しく話す三ツ谷がAの髪にふれ
「ごめんな。髪の毛····」
と呟いた。
『どうして三ツ谷先輩が謝るの?』
三ツ谷から身体を離し顔を見上げる。
泣きそうな顔をしている三ツ谷の頬にAの手がのびる。
『三ツ谷先輩は悪くないよ。弱い、私が悪かったの。だからそんな顔しないでください』
「弱いとか、Aのせいじゃないだろ?なんでそんな強がるんだよ」
強がってるつもりがない。
自覚がない。無意識に1人でやろうとする。
「もっと俺らを頼れよ」
ドクッと心臓がはねた。
《1人で生きていけるようになりなさい》
《人を頼らないで生きていけるようになりなさい》
《男になんて頼ったらダメよ》
《ね、お母さんの言ってること正しいでしょ?》
忘れていたはずの記憶がよみがえる。
『····だめっ····私は、1人で、大丈夫』
頭をかかえ、三ツ谷から少しずつ離れていくAを心配そうに見つめ
「大丈夫か?」
と手を伸ばすと、Aの身体がビクッとする。
『三ツ谷先輩、ごめんなさい』
目に涙を浮かべたまま、ドアを開け部屋を出ていってしまった。
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アオイ - 続きめっちゃ気になる! 更新頑張ってください! (2022年3月3日 7時) (レス) @page26 id: c4dfd681b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にゃんころ | 作成日時:2021年10月27日 12時