【獄都事変】 ちょっぴり甘い物語、いかが？ 〈短編集〉

斬島*口移し* ページ13

私は斬島が帰ってくるまで、さっき頬を撫でられた所を触っていた



斬島が…触ってくれたところ


あんな優しい目で


真っ直ぐな瞳で



心臓を撃ち抜かれたかのように私は脱力感を覚えた




斬「案外可愛いこともするんだな」


と斬島がいつの間にか戻ってきた


『えっ、な、なに』


テンパりすぎて何が何だか分からない



斬「…暑くないか？」


突然の質問にたじろいだ私だったが


『う、うん。そうだね』


何とか答えることが出来た



斬「水を持ってきたんだ、飲みたいか？」


カラン といい音がする氷


飲みたい…


『うん…』


そう言うと、斬島は何故か自分の方へコップを持っていった




『？』



その光景をまじまじと見ていてぼーっとしていたその時




気付けば斬島は私の肩を掴んで

目の前にいた



『へっ？』


斬「……んっ」


キスされたかと思いきや

間もなく舌が入ってきた


そこからは少しぬるくなった水が



『んぁっ…んは…』


もう水はないはずなのにまだキスを続ける斬島


もう逆らう気力もなくて



斬「んっ…A…」



名前を呼ばれる度に



『ん…』

感じてしまう私は…



水 に溺れた氷のようで______

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