【FGO】抗えない誘惑【短編集】

#ベディヴィエール 本懐 ﾘｸｴｽﾄ ページ32

『…ん？』

まただ。最近カルデアに居る時に視線を強く感じるようになった。
それは何か魔力がどうのこうの、とか特殊能力が突然使えるようになったとかではなく。

これ程までに強く感じるのは、傍に居るのかと思って辺りを見渡すが人影すら見えない。
ここは、千里眼持ちのマーリン辺りに相談するべきだろうか。



「今日もお疲れ様です先輩。お茶入れますか？」


『うん！お願いしてもいいかな？』


本日のクエスト周回も終わり、明日の為に体を休めていたところ頼れる後輩マシュが来てくれた。彼女の肩には「フォウフォウ」とフサフサの尻尾を振りながらマシュに頬擦りしているフォウくんが居た。


『マシュ、最近強い視線を感じるんだけど病気かな？』


彼女が私の部屋にあるティーポットでお茶を入れてくれている時に悩みを相談してみる事にした。初期から一緒にいた仲で悩み事も共有してきた為話しやすい唯一の大切な後輩。

「マスターはきっとカルデアのサーヴァントの皆さんに好かれてますから、いつも誰かが見ていらっしゃると思いますよ。」

そう言って「はい、出来ましたよ」と手渡されたお茶を手に取り『そうなのかな』と自分の中で一旦腑に落とした。


「先輩は人気者ですね！尊敬します。おやすみなさい。」


『ありがとうマシュ。いい夜を。』


彼女と別れて一人夜を過ごす。
ずっとこうしてきてどれぐらい経ったのか、もう数えてないが寝れない日々が続いたこともあった。ドクターには心配されたけど。

色々と考えすぎた為、早急に寝る準備を済ませベッドに入った。


「___どうか_______お許し_______」


『んっ…』


誰かが話している声で意識が覚醒していく。
同時に左手を握られている感触がした。
誰かが私の部屋に来て何か言っていることしか分からない私はそのまま寝たフリをして聞いてみるこたにした。


「貴女に仕える私として、このような感情を抱いてしまった事をどうかお許しください。マスター…愛しています。私のこの身全て貴女に捧げる覚悟です。貴女がもしこれを聞いていたら、心配は要りません。私が未来永劫守ってみせます。」



声を聞く限りでは、ベディことベディヴィエールだった。もしかして最近の視線を感じる原因は彼なのか。そして、寝ている(正確には寝たフリをしている)時に告白をされてしまった。
本来、告白は返事を返さなくてはいけないがこの場合はどうするのか最適解なのか私にはわからず、ただ彼の愛の告白を聞くしかなかった。

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