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解放の時。 ページ25

銀時side




「……っ、解け、た……。」

仲間に支えられながら倒れ込んだそいつ。



言葉の通り、不穏な空気から一変した。


しかし、




「な、なんなんですかコレ!!」


新八が指差す城は、
真っ赤な炎に包まれていた。


「なっ!!」

「……っ、結界はっ、その中の空間、つまり時間さえも閉じ込める。
外から見ても、変化がないってわけだ……。」



息が絶え絶えながら、続ける。



「今さっき、術を唱えてる時、新たな力が加えられた気がした。

きっと、Aさんが後押ししてくれた……っ。
早く、救いに行ってくれ……っ!!」


こんなことを言っていた気がする。

最後の言葉は背中で受け止め、
炎に包まれる城へ飛び込んだ。



待ってろ、A!!!
助けに行くから……!!







────────

「……消えた。」


忍達が頑張ってくれたのだろう。

結界は跡形もなく消えた。




「この窓から、行けるか……?」

虎が窓から下をのぞき込む。

「骨折で済めばいいでしょ。早く行きなよ。」

「……お前を置いていけるかよ。」


窓があるのは虎と壱の方のみ。

私は瓦礫のおかげで、そっちには行けない。



「絶対行くってば。」

「……ふざけんな。
その体で、瓦礫をどかせるほどの力があるとは思えねぇよ。」



術の影響で、壱との戦いで止まっていた血も溢れ出る。

今立っているのが凄いぐらい。



「(でも、帰らなきゃ。)」




多くの人のお陰で、私は日向に立つことが出来た。

それを、無駄にしないように。




「絶対、大丈夫。」




「……っ、でも「とっとと行かんかコラァ!!」」





結構デカイ瓦礫を虎にぶん投げた。(ぶん投げてばっかだな)

壱を抱えた虎には、それを支えるほどの力はない。


そのまま後ろによろけて、






「……っ、紅……っ、」


窓から、落ちていった。





「……っ、はは。」

下には多くの忍がいるから、なんとかなるだろう。
……まぁ、骨は折るかもね。





遂に、身体が言うことを聞かなくなった。


迫る黒煙と真っ赤な炎。

逃げなきゃ。





それでも身体は動かない。

壁に持たれ、そのまま沈んでいく。



帰らなきゃ。

それでも、瞼は下がる。







.






大きな音と共に、瞼は閉じられた。

あの日。→←自分終了。



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MiUmIu(プロフ) - vict tm 0206さん» コメントありがとうございます!今、低更新ですが……なんとか進めていきたいと思っていますのでよろしくお願いします!! (2017年4月22日 23時) (レス) id: 042c49640d (このIDを非表示/違反報告)
vict tm 0206(プロフ) - 続きが楽しみです! (2017年4月22日 14時) (レス) id: 260e4dcf34 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:MiUmIu | 作成日時:2017年4月12日 23時

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