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「うーん……楽しみだなぁ！」
オシャレなレストランの個室の一室。私の隣のジリアンさんを筆頭に着飾った同じ会社の女性人がお相手の紳士達を今か今かと待っていた。
「ジリアンさん、シャンパン飲むの早くないですか？」
「いいのいいの！ほらアンタも飲む飲む！」
酒豪のウチの女性陣は既にシャンパンボトルを空けている。これで合コンと呼べるのか、そう心配した時横のスライドドアが開いた。
「いやーすみません！ 遅れちゃって」
「遅いよーもうっ」
「あ、今回男側の幹事のナイジェルっす！」
ナイジェル、と言ったその人は高級そうなスーツを着て部屋に入ってきた。その後ろから続々と顔の良い男達が入ってくる。スーツやらブランド物の服やら、確かに身分は申し分なさそうな人達ばかりだった。
「急に1人来れなくなって代理呼んでたんすよ……ほら、早く来いよぉ！」
私の前の席を残して男性陣が座る。既にトークタイムが開始している。ナイジェルさんは一人、ドアの向こうへ叫んだ。
「やっぱり僕帰りたいんだけど」
「10分だけでも！ほら！」
優しい声。
嫌々言いながらもふわりと香る春のような優しさ。
聞き覚えがあった。慣れ親しみがあった。
「はぁ……ほんとに10分だけだよ」
ナイジェルさんに引っ張られながら入ってきたグレーのスーツをまとった人。右腕に付けられたシンプルだけれど男らしくゴツゴツした腕時計。
ゆっくりと室内を見渡すブルーの瞳。透き通るような瞳孔が全てを見透す。
目線を下ろしていく。私と目が合った。
紛れもない、ノーマンの姿だった。
「……え、」
互いに動けない。何も動かせない。
体も、腕も、足も、手も指先も。脳も。
ノーマンも同じように固まったまま私を見ていた。
数秒見つめあった後、瞬間的に電気信号が働いた。ガタンとイスを倒して立ち上がり、カーディガンを引っ掴んで個室から駆け出そうとした。
だがノーマンの腕が私の手を捉えた。
指先に触れた扉は動かない。
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MiUmIu(プロフ) - ちょこばななさん» コメントありがとうございます！別の作品でのコメントも拝見しましたがサマーウォーズの私の作品も好きだいらっしゃるとか！？本当にありがとうございます！これからもよろしくお願いします (2020年10月15日 9時) (
レス) id: c6740f863a (このIDを非表示/違反報告)
ちょこばなな(プロフ) - MiUmIuさん» おもしろかったです！最高です…！さすがとしか言いようがないです笑 (2020年10月14日 21時) (レス) id: 25d5b056bf (このIDを非表示/違反報告)
ふわふわ(プロフ) - これからも頑張ってください (2020年6月13日 9時) (レス) id: 25ce3e61b4 (このIDを非表示/違反報告)
MiUmIu(プロフ) - ふわふわさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです！ (2020年6月12日 18時) (レス) id: c6740f863a (このIDを非表示/違反報告)
ふわふわ(プロフ) - すごい面白かったです (2020年6月12日 15時) (レス) id: 25ce3e61b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：MiUmIu | 作成日時：2020年6月5日 13時
