14 ページ14
「……ごめんノーマン。ごめんね。
一緒にいよう。一緒にいたいよ。ノーマンの所に帰りたいよ」
「早く帰ってきて。待ちくたびれたよ。
これがいつもAが感じていたことなんだね、ごめんね。寂しかったよね」
「ううん、ノーマンは絶対帰ってくる。だから全然平気なの」
「僕はそれでも寂しいよ。これからは早く帰る。夕ご飯に間に合うように。一緒に食べよう。たくさん話そう。それから……」
そっとノーマンの髪を撫でる。
するとゆっくりと顔が上がり、すぐ近くでノーマンと目が合った。涙でうるうるとした碧眼は透き通った硝子玉のように美しかった。
導かれるように唇が重なった。
ちゅ、と1回。続けて2回。下唇に吸い付いたかと思うと、角度を変えてかぶりつくようにキスをする。
何度も何度も重ね合わせているうちに頭がクラクラと熱に侵される。(苦しい、)と薄く開いた唇からすかさずノーマンの舌が入り込んできた。
いつも通りだ。
余裕が無い私を嘲笑うかのようにノーマンは弄ぶ。
逃げようとする私の舌を執拗に追いかけ、捕まったら最後。まるで1つのあまーいケーキを食べ尽くすがごとく味わっていく。
ちゅく、くちゅと高級ホテルには似合わない水音が部屋に響く。唇が離れていくと銀の糸が1本生まれ、ぷちりと切れた。
同時にノーマンがワイシャツのボタンを片手で外していく。そして反対の手で私の頬を撫で回した。
「可愛い……っ、好きだよA」
「……私も好き」
「いっぱい愛してるんだ。前も、これからも」
「愛して。お願いノーマン、愛して頂戴」
それを合図に再びノーマンが私の唇に吸い付いた。舌で上顎をなぞりながら頬、首、そして胸へとノーマンの手が下がっていく。
「ん……っ」
布越しに触れる大きくゴツゴツとした手が私の感じるところをまさぐっていく。ニットの生地が煩わしい。
だがそれが快感を呼ぶ。
腰が揺れ出すのも時間の問題だった。
早く、早く私を愛し尽くして。
「─────脱がすよ」
低く甘い声が耳を染める。
これから訪れるであろう
＊
違和感に目を薄らと開ける。が、眠気に襲われすぐに目を閉じた。
肌に触れるシーツがいつもと違う。家のものはこんなサラサラとしていなかったはずだ。
……肌に、触れる？
慌てて飛び起きた。
数センチだけ開いたカーテンから朝日が差し込んでいる。私の裸体にスポットライトが当てられているようで、瞬時に腕で自身を抱き締めた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 58人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
MiUmIu(プロフ) - ちょこばななさん» コメントありがとうございます！別の作品でのコメントも拝見しましたがサマーウォーズの私の作品も好きだいらっしゃるとか！？本当にありがとうございます！これからもよろしくお願いします (2020年10月15日 9時) (
レス) id: c6740f863a (このIDを非表示/違反報告)
ちょこばなな(プロフ) - MiUmIuさん» おもしろかったです！最高です…！さすがとしか言いようがないです笑 (2020年10月14日 21時) (レス) id: 25d5b056bf (このIDを非表示/違反報告)
ふわふわ(プロフ) - これからも頑張ってください (2020年6月13日 9時) (レス) id: 25ce3e61b4 (このIDを非表示/違反報告)
MiUmIu(プロフ) - ふわふわさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです！ (2020年6月12日 18時) (レス) id: c6740f863a (このIDを非表示/違反報告)
ふわふわ(プロフ) - すごい面白かったです (2020年6月12日 15時) (レス) id: 25ce3e61b4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：MiUmIu | 作成日時：2020年6月5日 13時
