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「じゃ、鍵だけ頼むぞ」
「はい。お疲れ様でした」
「んー」
誰もいないGPはとても静かだ。
ユウゴさんとルーカスさんが早上がりだと他のメンバーで鍵当番になる。
今日は私。もうみんな帰ってしまった。
フロアの大きな窓からはオレンジ色の空が見えた。
「ふぅ、もう終わりか」
置きっぱなしの布巾を手にしてキッチンへ戻った。
「あ、」
「よう」
もう1人残っていた。
レイさんはコーヒー片手に丸椅子に座っていた。
「なんで……」
「約束だろ。完成したら食うって」
覚えてくれていたんだ、ちゃんと。
冷蔵庫から残った1つのモンブランを取りだし、カラメルソースを飾り付けた。
「どうぞ」
「へぇ、オシャレだな」
ユウゴさんたちと同じ形で静かに手を組み合わせると、レイさんはモンブランを口に入れた。
そしてコーヒーを一口。このコーヒーの香りは……きっとアレだ。
「……美味いな」
飛び出た感嘆の声。胸がぎゅっとなった。
「ほんと、ですか？」
「あぁ。このコーヒーに合わせてくれたモンブランだ、ってすぐに分かる」
感極まって上手く言葉が出せない。
お礼を言う代わりに深く頭を下げた。
「よく作れたな、こんな美味いやつ」
「いえ、レイさんが色々手伝ってくれたおかげです」
「俺か？ 俺は何もしてねぇよ」
そう言いながらコーヒーとモンブランを交互に口にしていく。
相変わらず、絵になるなぁ……。
「A」
レイさんが私の名前を呼んだ。
この人が私の名前を呼ぶ時は、大事な時だ。
「そこ、座りな」
レイさんに指さされ、目の前の椅子に座った。
レイさんと向き合う形になる。足が触れそうな距離だ。
「この前の告白なんだけど」
心臓が大きく跳ねている。
そんな単刀直入に言いますか？
「俺の事、本当に好きか？」
レイさんは目を合わせずそう言った。
「へ？」
「あ、いや、疑ってるとかそういう訳じゃなくて……」
慌てているのか、片手で口を隠すレイさん。
心做しか耳が赤い。
「確認したいだけ」
「す、好きですよ。それが、何か……？」
「そっか」
しばらく黙ったままレイさんは動かない。
ふぅ、と1つの息を吐くと、やっと私と目を合わせた。
「A」
「は、はい」
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maki - うわぁぁ〜素敵な作品をありがとうございます！感動です！！(語彙力) (2021年2月19日 13時) (
レス) id: 4c137b95fd (このIDを非表示/違反報告)
MiUmIu(プロフ) - いうさん» コメントありがとうございます！レイには絶対黒い腰エプロンをしてもらいたいと思いながら作品書いてました(笑)閲覧ありがとうございました！またよろしくお願いします！ (2020年6月3日 21時) (レス) id: c6740f863a (このIDを非表示/違反報告)
いう - 字数オーバーだったので追記。 素敵なお話ありがとうございました(*^ω^*) (2020年6月3日 20時) (レス) id: ae74ce0628 (このIDを非表示/違反報告)
いう - 夢主の心情や恋模様に合わせて、私もドキドキしたり心がキュッとしたり身体が熱くなったりしました！オリジナル設定も良い…絶対みんなカッコイイですカフェ服。さりげなくデートとか、二人の時間とか、最高でした！！ (2020年6月3日 20時) (レス) id: ae74ce0628 (このIDを非表示/違反報告)
MiUmIu(プロフ) - うたねさん» コメントありがとうございます！毎日更新頑張りますね！ (2020年4月18日 0時) (レス) id: c6740f863a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：MiUmIu | 作成日時：2020年3月7日 14時
