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「A？どうしたの、ノーマン君だよ？」
「え？あ、うんっ......」
ノーマンと目が合わせられない。
緊張してるんじゃなくて、一種の恐怖で。
「A？顔色悪いよ？大丈夫？」
ノーマンが私の顔を覗きこんだ。
距離が一気に近くなる。
ノーマン越しの王女が、動き出した。
「っ、！！」
どん、とノーマンを押しのけた。
ふらりと一瞬、ノーマンがよろめく。
はっと気付いた時には、もう遅かった。
ノーマンの目が見開いたまま、私を見ていた。
傷ついたような、そんな顔で。
「ちょ、A？」
「っあ、ご、ごめ......」
「どしたの？なんか変だよ？」
今度はリッカが覗き込もうとしてくる。
やめて、今の酷い顔を、どうか見ないで。
ダメだ......今すぐ逃げ出したい。
なんでこんな状況になってるの？
「A......？」
ノーマンが私に手を伸ばそうとしたその時、『あの子』がこっちに歩いてきた。
パカパカとした、スリッパの音ではなく。
底が固めな、上靴の音を鳴らして。
「────さようなら、ノーマン様」
ノーマンには笑顔で。私にはすれ違い様に睨みつけて。
ゾワッと何かが背中に入ってきたような、そんな寒気がする。
「あ、うん、さよなら」
「あれ、今の子......」
「リッカ！！」
思わず叫んでいた。
やっと出た。私の声。震えながらやっと出た。
「な、なに？」
「ごめん、私用事あるからやっぱり帰る！」
「えっ？あ、ちょっと！？」
制止の声を振り切り、廊下を走り出した。
「まって！！」
校門でようやく『王女様』に追いつく。
ゆっくりと振り返ったその顔には、不気味な笑みが浮かんでいた。
「あら、なぁに？」
笑ってはいるけれど、目が笑ってない。
このままじゃ、まずい。
「今のは......っ、今のはっ！」
......なんて言うの？
私のせいじゃない？ノーマンのせいだ？
違う。ノーマンは何も悪くない。
私がはっきりしないからだ。
でも、なんて言えばいいの？
ノーマンもリッカも守らなきゃ。
そのために、私はどうすればいいの......？
「......ふふ、いい顔ね」
「っ！」
「その顔が見たかったわぁ。耐えて、苦しんで、もがくアナタのその顔」
『まだまだこれからよ』
そう言い残すと、王女は夕陽に向かって歩いていってしまった。
やけに足が重く感じた。
地面から足首を掴まれているような、そんな感じの。
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MiUmIu(プロフ) - 黒酢さん» コメントありがとうございます！返信遅れて申し訳ございません。これからもこの作品をよろしくお願いします！ (2020年2月23日 23時) (
レス) id: c6740f863a (このIDを非表示/違反報告)
MiUmIu(プロフ) - あられさん» コメントありがとうございます！返信遅れて申し訳ございません。続編でも面白くしていくつもりなのでぜひご覧ください！ (2020年2月23日 23時) (レス) id: c6740f863a (このIDを非表示/違反報告)
MiUmIu(プロフ) - るみさん» コメントありがとうございます！返信遅れて申し訳ございません。続編が完成しましたのでぜひご覧ください！ (2020年2月23日 23時) (レス) id: c6740f863a (このIDを非表示/違反報告)
MiUmIu(プロフ) - れいぴーなさん» コメントありがとうございます！返信遅れて申し訳ございません。スパ子はスっとあたまに浮かんだので自分でも笑いました(笑) (2020年2月23日 23時) (レス) id: c6740f863a (このIDを非表示/違反報告)
黒酢 - 続編楽しみに待ってます!!!更新頑張ってください!! (2020年1月20日 18時) (レス) id: b9e11986f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：MiUmIu | 作成日時：2019年7月9日 22時
