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「A、お昼は？」
「あ、私は残ったヤツ食べようかなって思って持ってきてなくて」
「え、僕このまま全部食べちゃいそうなんだけどな。そうだ、僕のやつ食べる？これでいいなら」
ノーマンの弁当を！？ノーマン手作りのやつ？
どうしよう、食べたい気もするしなんだか申し訳ない気もするし......。
悶々と考えていると、グゥ、とお腹が答えを出してきた。
「ぷっ......くっ......」
ノーマンは笑わないように必死に口元を抑えているけど、抑えきれていませんよ王子様。
ありがとう、優しさはよく分かったよ......。
「......イタダキマス」
「どうぞ。......ふふっ」
くそぅ、まだ笑ってやがる！
いいもん、せいぜい私にノーマン手作りのお弁当を見せなさい！
パカッと蓋を開けると、色鮮やかなおかずと白ご飯がきっちりと詰められていた。
「わ、おいしそー！」
「そう？ありがとう」
「いただきまーす！」
早速、卵焼きから手をつけた。
ふわふわな食感が舌を刺激していく。
もしかして料理の王子様ですか？
「んーっ、美味しい......っ！」
「Aには適わないよ」
「そんなことない！ノーマンこれでお弁当屋さん開けるよ！」
「ふふ、凄い褒め方。
案外それも悪くないかもね」
二人とも食べ終わると、ほぅ.....と息をつく。
いつもならここでワークが出てくるけれど、もうその必要は無い。
「はぁー......数学がない生活って幸せ......」
「大袈裟だなぁ。 でも本当によかったよ、Aが補習を終えられて」
「ノーマンのお陰だよ。ありがとう」
「いえいえ、こちらこそ。僕を助けてくれてありがとうね」
もう補習の予習で苦しむことはない。
......だけどそれって......ノーマンとのお昼はこれで終わりってこと？
私はノーマンの看病をした。
ノーマンはそのお礼として数学を教えてくれた。
そして私はそのお陰で補習を終わらせた。
極端に言えば、もうノーマンは私に何も教える必要はなくなってしまったわけで。
「今日で、最後か......」
「え、」
ノーマンが驚いたように顔を上げた。
良かった、最後のこの日にお礼の品を作れて。
これが終われば、もう私とノーマンが関わることはほとんどなくなってしまうんだろう。
私は村娘で、ノーマンは王子様。
日々生きるのに必死な私に対して、ノーマンは民衆を導く為に一生懸命に働いていて。
こうして私に関わってくれたことは、奇跡に等しいものだったな。
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MiUmIu(プロフ) - 黒酢さん» コメントありがとうございます！返信遅れて申し訳ございません。これからもこの作品をよろしくお願いします！ (2020年2月23日 23時) (
レス) id: c6740f863a (このIDを非表示/違反報告)
MiUmIu(プロフ) - あられさん» コメントありがとうございます！返信遅れて申し訳ございません。続編でも面白くしていくつもりなのでぜひご覧ください！ (2020年2月23日 23時) (レス) id: c6740f863a (このIDを非表示/違反報告)
MiUmIu(プロフ) - るみさん» コメントありがとうございます！返信遅れて申し訳ございません。続編が完成しましたのでぜひご覧ください！ (2020年2月23日 23時) (レス) id: c6740f863a (このIDを非表示/違反報告)
MiUmIu(プロフ) - れいぴーなさん» コメントありがとうございます！返信遅れて申し訳ございません。スパ子はスっとあたまに浮かんだので自分でも笑いました(笑) (2020年2月23日 23時) (レス) id: c6740f863a (このIDを非表示/違反報告)
黒酢 - 続編楽しみに待ってます!!!更新頑張ってください!! (2020年1月20日 18時) (レス) id: b9e11986f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：MiUmIu | 作成日時：2019年7月9日 22時
