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「......そんなに落ち込むなよ」


しょんぼりと視線を落としていると、レイ君のぶっきらぼうな声が聞こえてきた。




「正直に言い過ぎだからですよ......」

「悪かったって。 アンタにとってはそれがいい点数なんだろ?」

「.....なんでわかるんですか?」

「ノーマンが言ってた」



フルスコアの間で噂になってるってこと?私のこの数学のひどさが?
村娘の話を王族の方達の間で?

もっと政治的な話をした方がいいですよ。




「というか、なんで敬語なんだよ。 俺たちタメだろ」


レイ君が歩きながら話し出した。
待って待って、歩かれると話聞こえないよ!

慌てて後を追った。



「えっ、だって王子......」

「王子?」

「あ、いやなんでも......」


ピクリとレイ君の顔がひきつった。
.....もしかしてこのあだ名嫌いなのかな。信者の皆様にによく言われてるけど。
確かにいい顔はしてなかった.....ような。





「別にタメ口でいいだろ」

「わ、わかった......レイ君」

「『君』もいらねぇよ。取れ」

「命令!?」



やっぱり黒王子、いや、レイ強い。
カッコイイけど......ちょっと怖い。





「れ、レイ......?」

「......それでよし」

「う、うん」



なんだか一気に距離が縮まった気がするなぁ......。

ノーマン君といいレイといい私、最近すごく贅沢だな。
これでいいのかな。なんか後で金銭徴収とかされないよね?贅沢罪とかで。



「んで、家どこなの?」

「え?」

「電車通?それとも歩き?」

「え、なんでそんなこと聞くの?」

「っ、あーっ! 送ってやるって言ってんだよっ!もう暗くなるだろ!」


レイに怒鳴られた。そんなに怒んなくても。

もう夕日はほぼ沈み、星が輝く空があった。




「そっか。 ......ええっ!? 送ってくれるの!?」

「そうだよ! だから家どこだっつってんだろ!」

「ご、ごめん。 歩きだから結構近いけど......」

「だったら行くぞ」

「なんでレイが先行するの!? ちょちょ、足はやっ!」





足の長さで距離が開いてしまう。
急いでレイの背中を追った。

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MiUmIu(プロフ) - 黒酢さん» コメントありがとうございます!返信遅れて申し訳ございません。これからもこの作品をよろしくお願いします! (2020年2月23日 23時) (レス) id: c6740f863a (このIDを非表示/違反報告)
MiUmIu(プロフ) - あられさん» コメントありがとうございます!返信遅れて申し訳ございません。続編でも面白くしていくつもりなのでぜひご覧ください! (2020年2月23日 23時) (レス) id: c6740f863a (このIDを非表示/違反報告)
MiUmIu(プロフ) - るみさん» コメントありがとうございます!返信遅れて申し訳ございません。続編が完成しましたのでぜひご覧ください! (2020年2月23日 23時) (レス) id: c6740f863a (このIDを非表示/違反報告)
MiUmIu(プロフ) - れいぴーなさん» コメントありがとうございます!返信遅れて申し訳ございません。スパ子はスっとあたまに浮かんだので自分でも笑いました(笑) (2020年2月23日 23時) (レス) id: c6740f863a (このIDを非表示/違反報告)
黒酢 - 続編楽しみに待ってます!!!更新頑張ってください!! (2020年1月20日 18時) (レス) id: b9e11986f5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:MiUmIu | 作成日時:2019年7月9日 22時

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