ワンダーランドII【約束のネバーランド】

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字を書くこと、計算をすること、理論建てて説明すること。
最低限、人間の世界へ行った時に困らないように教えるのが僕らの仕事だ。



「じゃあこの問題を......マーク！」

「はーい！」


元気よく立ち上がったマークは黒板にスラスラと計算式を書いていく。同時に僕はそれを目で追っていき、描き終わった後に大きな花丸を重ねた。



「大正解だ！よく出来ました」

「わぁい！」


マークすごぉーいと歓声を受けながらマークは机へ戻っていく。






そんなマークを見ていると、心が苦しくなってくる。原因はアレだ。

金色のふわっとした髪、青いサファイアの瞳、白い肌。
ペンの持ち方、髪の毛を耳に掛ける仕草、本を読む真剣な表情。








全て似ている、Aに。

偶然なのは分かっている。Aなわけが無い、マークだ、とも。




エマ達と再会して、ハウスに残してきた年少者達を迎えに行って、驚いた。

Aが姿を変えて戻って来ていたと思ったからだ。


エマもレイもこれはさほど気にしていない。
自分の思い過ごしだと言い聞かせるものの、やはり気になってしまう。



授業を終えるチャイムがなった。
生徒達に課題の内容を告げ、今日の授業を締めた。


あとはハウスと同じ。少しの自由時間にお風呂。あと歯磨き。



「おやすみノーマン、レイ！」

「おやすみ、エマ」
「おやすみー」






そして就寝。

隣でベッドに入ったレイはまだベッドランプを付けたまま本を読んでいた。
それが明るくて僕の目は冴えてしまう。昔の慣れでもあるからある程度は大丈夫なんだけれど。

仕方なくレイのいる方とは逆に体を向け、目を閉じる。






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12時の鐘が鳴る。


レイが最後のランプを消した。




今日が終わり、今日が来る。









やけにあの金色が離れない。

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