ワンダーランドII【約束のネバーランド】

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ニック達の脱獄まであと5日。

私達3人は着々と準備を進めていた。



「発信器はないだろうな」

「えっ、なんでわかるの？」

「どうせ逃げたって、あの気味の悪い森だし、野良鬼は嫌という程いる。
それに万が一鬼に食われたとしたら、野良鬼は発信器ごと食っちまって、腹の中でずっと位置情報を発信してるかもしれないしな」




「じゃあその件はもういいか......。
物資は？食料とか服とか......」

「森を抜けるには1日あれば充分だと思う。
ニック達は元々しっかりした服を着ているからそれも、ね」

「森を抜けたポイントで俺達が迎えに行こう。
そこからさっさとGFに入っちまう。
入ればもうこっちのもんだ」



......あれ、もうレイとノーマンそこまで考えてるの？
ダメだ......この2人に頭の回転スピードが勝てる気がしない。






「でもさ」


1つ心残りがある。




「ニックの事なんだけど、」

「嘘ついてるな」
「ついてるね」



「2人共早いよ！」



重なるように2人が言った。

なんでいつもこの2人に先を越されるんだろう......。



「エマも気づいたか。ニックは嘘が下手くそだな」

「バレバレだよ！」

「その根拠は？」

「えーっと......勘......？」

「......はぁー......」

「うぅっ......」





「ま、まぁ根拠はなんでもいいよ」


ノーマン、ナイスフォロー。




「問題なのはニックに逃げる気がないこと。
イコール、オメガ全体で脱獄の意思がないことになる」



脱獄計画を知るのはニックのみ。
Aがオメガ脱獄のことも私達のことも知らないっていうのが1番痛い。



「あの調子だと、もしAが目覚めたとしてもニックは正直に言わないだろうな」

「え、ええっ！？ど、どうすんの！」






「もうすぐニックの元へ行くだろ。
そこで1回ふっかけるぞ」


時計を見ると約束の時間が近づいていた。
私達も出発しないと。




「嘘ついてますよね？って？」

「それしかねぇだろ。逆にストレートに言った方がわかりやすい」

「ま、まぁね......」








「とにかく行こう。
話はそれからだ。ニックをどうにかしないと」


ノーマンが立ち上がった。

椅子に引っ掛けた上着を取って、そのあとを追った。

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