ワンダーランドII【約束のネバーランド】

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『私の思いつく限りのことはここまで。
あとは諦めない気持ちだけ。

それは言わなくても充分ね』




指先で文をなぞりながら追っていく。

目の前でAが読んでくれているようだった。



声が、姿が、A自身が......。









『エマ、レイ
私のお願いを聞いてちょうだい』









.








『これをノーマンには見せないで』







『これも私の勝手な想像なんだけれど......
ノーマンはいつかきっと自分を殺す』








.







『でも、エマとレイならそんなノーマンを生き返らせてくれるから』









.







『その時が来て、ネバーランドを終わらせて、皆が笑って暮らせる世界を作れたその時に』








.








『ノーマンに読ませてあげて』







.





『ノーマンは私のことが大好きだから』









『私の事でずっと後悔すると思う』









.






『ずっと後悔して、泣いちゃうと思うのよ』









『そんなのは、私も嫌』


『私も辛いわ』









.






『だから、これをノーマンが初めて読んだ時』









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『3人で抱き合って、泣いてちょうだい』









.







『私がいたこと
死んでしまったこと』









.







『全部全部、その時に流してしまいなさい』









.









.






『私は幸せよ』





『私を想って、皆が泣いてくれるんだもの。
皆が私を救おうとしてくれたんだもの』









.









.





『大好きよ』









『どうか、美しい未来を』









『その時にまた会いましょう』









あぁ......

せっかく止まりかけていた涙なのに



溢れてしまってしょうがない。






エマとレイにもうつしてしまった。
レイの泣き顔は僕の出荷以来だね。









本は最後のページを抱きしめて再び眠った。







僕ら3人も

抱き合って涙を流して









『君』を想う。









.




必ず救い出す。



もう苦しむだけで何もしないのはやめよう。









.









.




僕は君が好きだから。



伝えられずに未来を迎えたくない。

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