#７ 包み隠さずお話します ページ7
…私のルーツは
約250年前のお江戸…
今でいう東京の下町でございます
小さな小間物屋の娘に生まれて
十八まで両親のもとで育ちまして
…ええ
もちろん母親は妖狐です
お店の跡取り息子だった父に見初められて嫁いだものの
祝言の夜…
つまり結婚したその夜に
二人きりになって
初めて妖狐だと告白したそうで
驚きながらも父は
月明かりに浮かぶ
妖狐に戻った母の姿を
はっきりと見てとったそうでございます…
私には兄がおりましたが
男でございますからもちろん妖力のかけらもない平凡な人間でした
その兄が嫁をもらいましたので
今度は私の番だと…
でも私の両親は
『お前には定められたお人が現れるはずだから』
といって
持ち込まれる縁談を全てお断りしていたんです
…その頃の十八といえば
もう嫁いで子供のひとりやふたりいてもおかしくないくらいの年頃なのに…
定められたお人というのが
私には何のことだか分からなくて
両親は何を考えているんだろうと不安になっていたのですが
とにかく待ちなさいと言われて
あてもなく待ち続け…
…もうじき十九になるという冬
両親が待っていた知らせが舞い込んで参りました
どこで見初められたかは存じませんが
私を側室に迎えたいというお方がいらっしゃると…
…そうなんです
その方はあるお城のお殿様で
既に正式な奥様がいらっしゃいました
ですから真の意味での相思相愛とは違いますよね
でも私には
たった一人のお方でした…
側室にというお話を両親から勧められた時
私が妖狐である身だと教えられました
そしてお殿様が妖狐を見る能力を持っていることを
母は見抜いていたようです…
妖力というのはいろんな形がありまして
母が得意としていたのは
予言や人の心を読む能力でした
…私はどっちかというと浮遊能力とか飛翔とか
頭使わない方が得意ですけど…
…そこ笑わないでください！
…最初は驚きました
自分があやかしであること
お逢いしたこともないお殿様が
自分の定められたお人であるということ
とてもにわかに信じられることではなく
といっても
側室としてお城に入るのはひと月後と決められてしまって…
…親が嫁ぎ先を決める時代でした
誰もが親の言うことを聞いて
まとめられた縁談に従うものだと
ましてや私の両親は
お前のお相手は殿より他に無いと申しましたので…
私は取り乱した心を抱えたまま
殿のもとに参ったのでございます…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 401人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東方神起」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
けぃたん(プロフ) - 実紅さん！！お話読んでてすごくおもしろいです！！お時間ある時に更新お待ちしてます♪ (2018年10月14日 16時) (
レス) id: 797f869983 (このIDを非表示/違反報告)
hunihuniyasuko(プロフ) - きゃ〜〜っつ、更新ありがとうございます。待ってました！！楽しみです。 (2018年5月17日 15時) (レス) id: aabcb05c36 (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - 子育てにお仕事に大変なところ更新ありがとうございます♪〜楽しみに待ってますね♪ (2014年9月4日 21時) (レス) id: 8ce55d652b (このIDを非表示/違反報告)
悠貴 綾(プロフ) - 更新、お疲れ様です。気長に待ってますんで、無理せず頑張って下さい☆ 次、楽しみに待ってます(*´艸`) (2014年9月4日 16時) (レス) id: 3014534926 (このIDを非表示/違反報告)
KT(プロフ) - お疲れ様です。 楽しみ に して 待ってます！ (2014年9月4日 16時) (レス) id: f0217eb4f7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
