恋は指先から２ (ページ28)

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＊

安「横ちょが好きっていうまで

時間がかかったって話やで」

横「引きずりすぎやろA」

「横山くんがシャイだから

甘酸っぱい恋になりそうだねって

安田くんと話してた」

横「おん、俺も不器用やから期待せんといてくれ」

―ねぇ

―今日くらいはさ

―今日だけでいいからさ

＊

そして、ようやく気持ちが伝わりあって

分かり合えて

正式に、と言うか

ちゃんと、お互いが大切な存在です、と

言えるようになってから

初めての、横山くんの家

　

ベッドで隣に横になっても

無口というか、なんだか落ち着きがないこの男

何故かと言うと、

ギターの練習でも

新譜の印付でもないからだ

「…なんでこっち見てくれないの」

横「…恥ずかしいからに決まってるやろ」

相変わらず、背を向けたままだから

ちょっとだけ、近づいて

手を繋いでみた

こういうスキンシップが正解なのかは

わからないけど

―君に甘えてみたかった