忘れもの (ページ40)

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不審な車ページ40

＊

　

早足で歩いているとクラクションが鳴らされた

さっき学校の前にあった車、と思ったら

助手席の窓が開いて

「乗れ」と言われた

　

…この声、知ってる

　

キャップを反対に被り

サングラスをしていた

　

後ろに座ってバックミラーを見ると

　

「…久しぶりやな、この前はすまんかった」

　

「渋谷さん、あたしこれからバイトなんです」

　

錦「休め、インフルエンザって言うて」

　

「…亮なんで学校に来た？」

　

渋谷さんと亮がいた

あたしの学校に、車で

　

錦「あ？元気にしてんのかなーって」

　

「普通運転するの亮じゃないの？」

渋「これ俺の車(笑)帰ろうと思ったら亮乗ってきた」

錦「ごめんすばるくん(笑)」

「…あ、もしもし石田です
　今日ちょっと風邪気味でバイｔ「貸せ」

　

錦「いつもお世話になってます石田の兄ですけども
　 Aインフルエンザにっかかってしまいまして」

　

「…関西弁ってばれそう」

渋「亮は俳優やってるから大丈夫やわ」

　

…いや、ばれるでしょ…

　

「どこ行くの」

渋「仕事戻る」

「私は？」

錦「はい、失礼しますー」ﾋﾟｯ

錦「お前も行くの」

　

「…マルヤマいる？」

　
錦「会いたくない？」

　

「…まだ助けてもらうほどしんどくはない」

　

渋「さっき不良に絡まれてたやん」

　

「しょっちゅうだよ」

　

　

亮と渋谷さんは

何も言わなかった

　