忘れもの (ページ39)

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負けないページ39

＊

　

あたしは負けじと学校に行き続けた

　

マルヤマとの生活が終わったのは2週間ほど前

　

学校ではよくものを隠されるし

靴箱だってロッカーだって
使えないくらいボロボロにされた

　

アヤとはもう口をきかなくなった

というかきけなくなった

　

それでも負けたくなかった

　

担任の先生に呼ばれて

いじめられていないか何度も聞かれたけど

わからないし

いじめのこと言うなって脅されてもないし

こんなことでジサツなんてしないので
大丈夫ですともいった

　

今日もまた

誰もいない家に帰る

お母さんは次はいつ

彼氏と帰って来るんだろう

　

まぁ、帰ってこなくていいけど

　

学校を出たら生徒たちがざわついていた

不審な車が止まっていた

　

　

人のかたまりを抜けようとしたら手を掴まれた

　

掴まれた方向を見たら

アヤとつるんだであろう、あの女だった

　

そのまま手を引かれながら

生きたい方向とは反対の方向に歩いて

その人に言われた

　

「あたしのこと覚えてるよね？」

「…覚えています」

「じゃあなんで学校来れるのよ!

　あんたが来たくないように色々してるんだから!

　被害者面して来んな！」

「じゃああんたも学校来ればいいじゃん
　アヤに全部やらせないで」

「…あんたみたいなクズとっとと不登校になって
　ジサツすればいいんだよ!」

「…こんなところで大声出して
　私が本当に死んだら、あんたの名前書くよ？

　いじめれていましたって」

　

「…」

　

「あと他に言いたいことは？
　あたしバイトだから急いでるの」

　

　

その女は自分の高そうなバッグを投げつけて

そのまま帰ってった

　

あの時後ろにいた怖い3人は

そのバッグを拾って、女の後ろをついてった

　

全員同じ学校だったのか

そして、不登校なのか

　

再び人の塊の中を通って

バイト先に向かった