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「…なんで、ないの」

突然立ち止まった私たちに驚いた後ろの人達はじろりとこちらを一瞥してその先へ向かう。

「ごめん…今日、急いでて、忘れてきたんだ」

「ならなんで隠すようなことしたの?言ってくれれば良かったじゃん」

「それは…」

『失くしたから』なんて口が裂けても言えないので、口ごもってしまう。

「…明日はつけてきてね」

何も言わない私に痺れを切らした紫耀はそう言うと私を置いて歩いて行ってしまった。

ダメだ。

昨日も今日も私は紫耀を傷つけてばかり。

その後ろ姿を見つめていると一人の女の子が紫耀に話しかけていた。
頬を赤く染めて、きっと紫耀のことが好きなんだな。

そんな女の子に彼はニコニコしながら対応している。

ダメだよ、そんなの勘違いしちゃうじゃん。

その時、手に持っていたスマホが振動した。

ショップアプリの通知かと思いつつ、画面を見るとLINEが来ていた。

…廉からだ。

『帰ったら探す!A何時に大学終わるん?』

『ありがとう!三限で終わるよ』

『俺も三限やから家来る?一緒に探した方がええやろ』

その誘いに文字を打つ手が止まった。

別にやましいことをしに行く訳では無い。
それに私の不注意で失くしたんだから私が探すのが道理ってものだ。

『分かった。廉の家行くね』

『ほーい』

可愛らしい猫のスタンプで締めくくられ、LINEは終わる。

前を向くと、紫耀の姿はもうなかった。

私も友達を待たせているのでスマホをポケットに入れて食堂へ向かった。

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なんな - はじめまして!この作品面白くて、お気に入りです!ぜひ、頑張っていただきたいです!最新よろしくお願いします (2019年12月16日 17時) (レス) id: 9359a1f9be (このIDを非表示/違反報告)
えび(プロフ) - はじめまして!すごくすきな作品です!無理せず更新頑張ってください(^^)待ってます! (2019年11月29日 2時) (レス) id: ce8066408c (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - ステキ作品ですね。読んでいてドキドキワクワクします。今後の展開が気になります。更新されるのが待ち遠しです。頑張って下さい(^-^) (2019年10月26日 10時) (レス) id: 1764c04734 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みく | 作成日時:2019年10月24日 21時

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