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すきなところ/yzr ページ6

わざとらしく音を立て、マグカップを机の上へと置く結弦をちらりと横目で見る。
そのマグカップはこの間、私が金メダル祝いとしてお揃いで買ったもの。現に今、私もそのマグカップの色違いを持っている。
私に気づいてほしくて音を立てたにも関わらず、一向に行動を起こそうとはしない結弦を不思議に思う。
もしかして、私の勘違いだったのかな?それなら、とても恥ずかしいことをした。
よく分からない結弦の行動は一旦無視することにして、再びスマホへと目を落とした。

「ごほんっ」

なんだよ、その咳払い。やっぱり気づいてほしかったんじゃん。
私を恥ずかしい思いさせた仕返しにもうちょっと無視してやる!

「んんっ…ごほんっ」
「…どうしたの?」

なんだその咳払いは、とツッコミたくなるくらい怪しい咳払いを二度もした結弦にとうとう痺れを切らしたので、私から尋ねてみると待ってましたとでも言いたげな視線を送ってきた。
…なるほど、私から聞いてほしかったのか。
目鼻立ちのきりっとした美しい顔に似合わず子供っぽいところがあるなぁ、となんだか可愛く思えて心の中だけで笑った。

「ずばり、Aは俺のどこが好きなの?」
「なにその質問…」
「いいから!答えて!」

その質問をするためだけにあんなにわざとらしいことをしたのか。可愛いが、呆れてしまう。
まぁ、それほどまでに気になる質問なのだろう。真面目に考えてみようかな。
私が結弦に惹かれたのは…正直に言って『顔』だ。
高校時代に隣の席になって初めて『羽生結弦』という存在を知り、そのかっこよさに驚いたものだ。周りの友人達は既にその魅力に気づいていたようで、私に嫉妬の炎を燃やしていた。
そこから私の結弦への猛アタックが始まった。
話していくうちにその性格の良さにも気がついて更に好きになっていったのだけれど、やはりどこが好きかと問われると、『顔』という答えが一番しっくり来る。
うーん、としばらく悩んだ後、私の出した答えに結弦が怒って数時間は口をきいてくれなかったのはまだ先の話。

熱病にも似たそれは、/shm→←ばかみたいラブストーリー 2/shm



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kokona(プロフ) - オメガバースの話、続きが凄く気になります…! (2019年4月1日 8時) (レス) id: 498a098029 (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - ?まなかさん» オメガバース凄く好きなんです...!いつもコメントありがとうございます!すっごくモチベーションに繋がるし、嬉しいです! (2018年4月6日 22時) (レス) id: e662d7ec1b (このIDを非表示/違反報告)
?まなか(プロフ) - お、オメガバースイイですねぇ。うへへ。素晴らしいです。作者様好き!! (2018年4月6日 17時) (レス) id: dbf487caee (このIDを非表示/違反報告)
天音みく(プロフ) - ?まなかさん» はい!エイプリルフールのおふざけ話でした!驚いてもらえて嬉しいです笑 (2018年4月1日 14時) (レス) id: e662d7ec1b (このIDを非表示/違反報告)
天音みく(プロフ) - シーカさん» 読んでいただきありがとうございます!おふざけで書いた文章なのでそう言ってもらえると嬉しいです笑これからもどんどん更新するのでよろしくお願いします〜! (2018年4月1日 13時) (レス) id: e662d7ec1b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みく | 作成日時:2018年3月26日 10時

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