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『その後Aは死んだが確かに今そこで生きている
恐らく向こうの世界で何か起こり死んだんだろうな
死ぬ間際に言ったことと今の状況から見て 死ぬこと が何かしらの引き金になることは間違いない』
「…あぁ」
「初めて会った時、Aはオレ達の記憶も、海軍海賊の存在すらも知らなかったんだよい
これはどういうことだ?」
「さぁ、オレ達も記憶がないことを知ったのはつい最近だから
でも多分前のAの様子を見るとこっちに来るとこっちの記憶が定着されるにつれ、あっちの記憶が消えるんだろうな」
「え…?
あっちの記憶が消える…?」
覚えのない出来事にレティシアが聞き返す
『あれ、もしかしてAがきてからまだ時間経ってない?』
「たしか、一ヶ月経つか経たないかぐらいのはずだけど」
『多分二ヶ月経つ頃には全ての記憶が入れ替わってる
あったの記憶からこっちの記憶に』
その言葉にレティシアはゾッとする
「(自分の故郷の話が自分の意図関係なく消えてしまうとは...)」
「…話はわかったよい
それで、何がしたいんだよい」
「元仲間のよしみっていっただろ…
用があるのはアンタじゃない、不死鳥マルコ
オレも一海兵、海賊は好きじゃない
…それに、少し敵の言うことを信じすぎじゃない?」
「嘘だとしても一つの情報の材料としてきくだけだよい
勿論それを鵜呑みにするわけねぇだろうよい
俺達は海兵と海賊
敵にゃ違いねぇが今の話題はAだ
お前も俺も嘘なんざついてAを危険に晒すわけないよい」
『…』
少し腑に落ちなさそうに黙り込んだあとクザンは再び話し出す
『正直な話…俺はAを向こうの世界に返したことは間違いだと思ってる』
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作者名:ヘアリー | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/HAK/
作成日時:2022年12月3日 9時