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Aは部屋のベッドの上で電伝虫を両手で包むように持っていた
『全く急にいなくなるんだからさぁ
あの後俺、サカズキにスッゲェ怒鳴られたんだからな
ガープさんに殴られセンゴクさんにも…ついにお鶴さんにまで怒られちまって』
先程から連絡を始めて五分ほどそう言い続けるクザン
「えへへ…ごめんなさい」
『おれも心配したんだからな
男の巣窟に一人で行くなんてよ〜』
「レティさんもいますし皆さんやさしいですよ」
『そう言うことじゃあないんだけどね〜』
呆れた様子で話すクザンの言葉にあははと耳を傾けるA
するとAはふと電話口からカサカサという紙のような音がしたのに気がついた
「何かしてるんですか?」
『Aをいかせてカンカンに怒ってる上層部の人達に仕事めっちゃ送られてくるのよ
散歩しに行こうとしても監視がいるからさぁ…
はーぁ、A手伝いにきてくんない?』
「行ったら殺されちゃいそうなので嫌です…」
『じゃあオレが大将になった暁には安心して迎えられるようにするから来てくれ』
「考えときますね」
『あらら即答してくれないのか』
「もう私は考えるのは疲れたんです!
もう毎日毎日喧嘩するんですよあのお二人!」
『二人?』
クザンがそう聞くと同時にドガァァンと何か壁を突き破って電伝虫や机を巻き込んで隣の部屋まで飛ばされていく
「きゃぁ!!」
咄嗟に頭を守って体を縮めたAが目を開けると無惨な姿になった電伝虫
「あぁー!!!」
Aは眉を八の字に下げてそう声を上げる
「もう一回言ってみろよい」
突き破られた壁から見える隣の部屋で怒った様子でゆっくりと蹴り飛ばした足を下げることなくマルコが言った
砂埃がおさまった先から見えたのはボロボロになったシャンクス
シャンクスは口から垂れた血を腕で拭いニッと笑った
「マルコ!Aと一緒にオレの船に来いよ!」
「ふざけんじゃねぇよい!!」
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作者名:ヘアリー | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/HAK/
作成日時:2022年12月3日 9時