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「(言わない方が、良かったかも)」



そんなことを考えながらも沈黙を破れずにいるとマルコが立ち上がった



「?」



驚いてパッと顔を上げるとマルコは腰に手を当てて前を見ながら言った



「…生まれたところなんて関係ねぇだろうよい」



「え?」



「お前の人生だ
誰が親だからとか誰が血縁だからとか気にすることねぇよい

親は選べねぇ
自分の好きなようなやるのが海賊だろうよい

お前はもう十年も前から白ひげ海賊団(オレ達の)家族(仲間)なんだ」



「!」



ビュウッと二人の間を風が通る



風につられて髪が舞うと近くの鳥も飛び立った



羽が羽ばたく音に思わず振り返るとそこには森の隙間から限りない海が見えた



「まぁ、大切なものってのは誰にでもあるもんだ
それがお前にとってそれがその一族ならオレは何もいわねぇけどよい

もっと気楽に生きてもいいんじゃねぇか
この世界にはお前を縛るもんなんかねぇんだからよい

好きに生きよーぜ」



にっとAに向かって笑いかけるとAは顔を明るくしてマルコを見た後立ち上がり、また海を見た



「そうですね

…海は、こんなに広い」



Aの言葉にマルコは満足げに笑って前を見た



また風が通り過ぎる



しかし先ほどとは違い、とても優しく二人を撫でた



「…マルコ」



「?!」



突然の呼び捨てにばっと横を向くマルコ



Aが首を小さく傾げてマルコに笑いかけた



「ありがと」

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作者名:ヘアリー | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/HAK/  
作成日時:2022年12月3日 9時

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