13〜うちは〜 ページ13
【「ううーんだめだ！！」
筆を投げてそう寝転がるA
向かっていた机にはびっしりと文字が詰められている
「人を蘇らせる術…
神木転生！
を作りたかったけど、やっぱり難しいなぁ…
人の命を使ってなら蘇らせることはできるようになったんだけど…
木で人を蘇らせることができたら、面白そうなのに
そうしたら私の木遁で！…」
イキイキとして話していたAがスッと真顔になる
木遁
これが使えるのはうちは一族の長年の敵、千手一族の現筆頭である千手柱間だけだった
木でありながらうちはの火にも負けない柱間は敵ながら尊敬している
「どうして…」
私が、木遁を使えるのか
スッと目を瞑るA
記憶にあるのは
こちらを見る、嫌悪の目
どうしてか、物心ついた時の私には分からなかった
そして分からないまま幼いながらに写輪眼を開眼した
母が流行り病で死んでしまったのだ
母が死んでから父は変わった
明らかにではないが、少しずつ、少しずつ距離が離れていく
父としての役目は果たしてくれた
困った時は助けてくれたし欲しいものもくれた
でも、どうしてもそれが愛ゆえのものだとは思えなくて
死ぬ間際に言った言葉はきっと忘れることはないだろう
【「すまない、A
マダラ達のために…死んでくれ」】
その言葉を聞いた時、お兄ちゃん達は困惑したような顔をしていたけど
私はお父さんの優しさだと思ってる
大人になってから、一族の人達は一切私に近寄らなくなった
話しかけることもなく買い物をすることもできないことがあった
その度に父は助けてくれた
でももう、助けてくれる人はいなくなってしまった
お兄ちゃん達は私を可愛がってくれてる
でもそれと同時にお兄ちゃん達は一族の長だ
守るべき妹が、守るべき一族に嫌われていたら、
お兄ちゃん達はどうすればいい？
私は、他の人と、何が違ったんだろう
どうして私を怖がるの】
【「イズナがッ！アイツの弟にやられた！！」】
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作者名：ヘアリー | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/HAK/
作成日時：2022年12月3日 9時
