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「仲間?」



不思議そうにそう首を傾げるA



ここではよく聞くことばではある



しかしAにとっては不慣れな言葉であった



Aの故郷では戦いは一族単位で起こる



仲間というより家族なのだ



いたいから一緒にいるわけでなく、そこで生まれたから一緒にいる



本人の望みは関係なくそれは確定し反抗したら裏切りだと殺され従えば死ぬまで戦う



だから



「(いまいち…分からないなぁ)」



Aはそう頭をかしげる



すっとAの頬に手を添えるシャンクス



「仲間になってくれればいつでも会えるしな」



シャンクスの言葉にAがしばらく黙る



「私は…もうすでにうちはに命を捧げてます」



いつもなら軽く振り払うであろうシャンクスの手を気にすることなくAが言った



「構わねぇよ
命なんてかけなくていい

海賊なんだ」



シャンクスはにっと笑う



しかしすぐにその細めた目を大きく開く



ポタポタとAの涙がシャンクスの顔に落ちる



ばっと起き上がるシャンクス



「どうした?!お腹でもいたいのか?!」



「え…?」



「泣いてるぞ?大丈夫か?」



心配そうにAを覗き込むシャンクス



Aは顔を押さえて下を向いた



「…ッ
ごめんなさい…!最近すごく…泣き虫で…」



とめどめなく流れるAの姿を見てシャンクスは咄嗟にAに手を伸ばし抱きしめた



「!」



「わ、悪い!嫌だったら離れて構わねぇから!」



「シャンクスさッ...服が...」



「構うか!Aの方が大事だ!」



「私は...赤髪海賊団には...」



「いい!入らなくても!
え、いや、入ってはもらいたい...
いやでもそんな泣くほど嫌ならオレは...」



シャンクスの反応に驚いたように顔を上げるA



「いいんですか...?」



「そう聞かれると決断鈍るだろ...
もちろんお前には来て欲しいが...無理にとは言わねぇよ...」



「...皆さんもそう言ってくださるでしょうか」



「?」



「私は...誰かの敵になりたくありません...
クザンさん達も...オヤジさんたちも...レティさん達もみんな大好きなんです

でも、どこか私が選んだら誰かが敵に回っちゃう...
海軍に追われなければならなくなったようにどちらかを選ばなくちゃいけなくなるのが怖いです...ッ」

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作者名:ヘアリー | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/HAK/  
作成日時:2022年12月3日 9時

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