アッサラームアライクム (ページ35)

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「レオンおにーちゃーん！」

「ぐっ！！」

「体調どう？よくなった？？」

ぐっすり眠っていたレオナを上から飛びついたAがキラキラと目を輝かせる

「テメェのせいで今悪化したんだが…？」

ぐぐぐっと力を入れてAの頬を掴むレオナ

「ほっはほっは！！
はのねいまへ、おいひほーなくだものもっへひたんだよ！！(そっかそっか！！あのね今ね、美味しそうな果物持ってきたんだよ)」

「引っ付くな暑苦しい
…ったく、朝っぱらから何のようだ」

「お見舞い！！」

「時間を考えてこい…」

イラァッとしながらそう言葉を絞り出すレオナ

「レオンにいちゃん毛、フサフサだねぇー」

「話きけ」

そういうとレオナが思い出したように口を開く

「おいA」

「？何？」

「この前、体調崩して休んでたらしいな」

「うん、本当に死ぬかと思った」

「その日の朝、どこにいた？」

「どこって、スカラビア寮でご飯食べてた」

「そうじゃねェ、深夜だ
2時くらい」

「えぇ〜寝てたよ？」

「ここに来たか？」

「まさか！！無理だよ〜
幽霊でそうじゃん！！」

「まだそんなもん怖がってんのか
ガキか」

「が、ガキじゃないし！！」

そういうとAがレオナの上から退いて座り直す

「ねぇ、レオンお兄ちゃん」

くぁとあくびをした後視線をそちらに向けるレオナ

「本当にごめん
あんなになるまで…」

そこまでいうとAが口籠もる

「なんでテメェが謝る？
あんなになるまで、なんだ？
お前如きがオレの悩みを解決しようって？
笑わせるな
どうにもできないことなんて数えきれない程あるんだよ」

そこまで聞くとAは何かを言いかけた後口をつぐんで下を向いた

「それが世界だ
何もかも自分の思い通りに、なんてただの夢物語なんだよ
それが分からない限り、お前はガキのまんまだ」

くしゃとAの頭を撫でるレオナ

「じゃあ、せめて、何か、したいこととか困ったことがあったら…

私に教えて
一緒にやろう」

精一杯の笑顔でAは言った