Monster of the clown

いじめ ページ6

「うわっ」



ヘンリーの取り巻きにリッチーはリュックを掴まれて後ろに投げ飛ばされる



そして偶々後ろにいたスタンリーとぶつかり、二人揃って転んでしまった



「リッチー！スタン！」



スタンリーは倒れた拍子に落ちたものを拾って



「いいフリスビーだ。ヘタレ野郎。はははっ」



「返して…」



バスの窓に投げ入れられた



「くたばれ負け犬ども！」



もう一人の取り巻きはエディに向かってげっぷを吐き、嫌がらせをする



「やめなさいよ」



そういい空いている手でエディの手を引っ張り後ろにかばう



「はっ女にかばわれてんの。だっせー」



あぁ言えばこういう



可愛くないなぁ



そう思いながら睨み付けると今度はヘンリーがビルにわざとぶつかって通り過ぎようとする



ビルは声を荒らげる



「さ、最低だな バワーズ」



「やめろビル」



エディがそう止めるがヘンリーの耳にはもうその声が届いていた



「今…なななな、何か言ったか？ ビ、ビビビビ、ビビリー」



あぁもうやっちゃった



そういう顔をしてリッチーとスタンは顔を見合わせる



「弟のことで同情してたが もう容赦しねえ」



そう近づき、ヘンリーはビルに手を出そうとする



「やめなよ。暴力なんてみっともない！」



そういい、ビルをかばうように前へ出るとヘンリーはイラついたように声をあげる



「なんでお前はいつも…！」



ジージジジ



無線のような音が聞こえ、そちらの方を見ると警察官が二人、こちらを睨んでいた



片方の人は彼のお父さんだと聞いたことがある



警察の前では不味いと思ったのかヘンリーは



「お前らにはキツい夏になるぞ。お前ら出来損ないには」



といい、自分の手を舐め、ビルの頬に擦り付ける



ヘンリー達は渋々といった様子であちらへ歩いていった



「あぁもう…なんて無茶するの。これだけで済んで良かった…」



そういいながらハンカチを探すが今日は忘れてしまったのに気づく



今日は運が悪いなぁ



そう思い、自分の服でビルの頬を拭く



「ちょ、ちょ、いいよ。A。お腹見えてるし…」



「いいよ。私のお腹なんてみても興奮しないでしょ」



「そういう問題じゃ…」
「俺は興奮するけどー」



リッチーとビルが同時に口を開く



「黙れリッチー」



エディがそうリッチーに怒る



エディ達は改めてヘンリー達の車を見ていう



「奴こそ消えろよ」



「あいつが誘拐犯かも」

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