私の一番嫌いでスキな生き物5 (ページ44)

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鬼が四十四匹ページ44

銀時side

｢Aさん、遅いですね…｣

｢どーせパチンコだろ｣

｢お前とAを一緒にするなヨ
腐れ天パ｣

時計が指す時間はもう7時を過ぎていた

いつもならもうキッチンで鼻歌を歌いながらご飯を作っていた

｢…ねえ銀さん
Aさんは一体何者なんですか？
なんであんな人達に目をつけられているんですか？」

新八の質問が重くのしかかる

｢分からねェ｣

そう答えると俺は…俺は気付いてしまった

俺はAの事を何も知らないんだと

小さい頃から一緒に居るのに

俺は…何一つ知らない

年齢すら分からない

｢…分かんないやつが分かんない分かんないって言って悩んでても仕方ないアル
Aが何者だろうと私達は離れないネ｣

そういうと神楽は玄関に行き座った

｢私はAを待つアル」

するとガラッとドアが空いた

｢!｣

｢銀時忘れ物…って神楽?何しとるんじゃ｣

｢なんだ月詠アルカ｣

｢なんだとはなんじゃ｣

｢月詠さん、どうしたんですか?｣

｢忘れ物じゃ｣

｢あ、ありがとうございます｣

月詠は俺達の様子を見ると察したようで少し顔を暗くした

｢Aを待っているのか｣

｢あぁ。どこにいるか知らねェか。
帰ってきたら聞かねェとダメなことが山程…｣

｢銀時｣

｢?｣

｢気が付かなかったか｣

突然の質問

気が付かなかった?何に?

｢…その様子だと気がついていなかったんじゃな
いや。気にしないでくれ｣

そういい帰ろうとする月詠

｢おい待てよ
気が付かなかったって何にだ｣

そう聞くが月詠は言うのを渋る

｢教えてください。月詠さん!｣

｢ツッキー!｣

二人に後押しされ月詠はふぅと息を吐き再びこちらを向いた

｢後悔しないか。これを聞いて｣

頷く俺たちを見て月詠は口を開いた

｢Aは腕を斬られている｣

｢?!｣

｢なのにすぐに蘇生したのじゃ｣

｢そ、そんなはず…｣

認めたくない。認めたくない。

だが…

｢Aは人間じゃない…
腕を斬られても生きているどころか数十秒で蘇生されるなんて…天人にもいない

Aにとって何が幸せか私には分からん

でもぬしらなら分かるじゃろう｣