私の一番嫌いでスキな生き物5 (ページ38)

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鬼が三十八匹ページ38

｢しっ…茂々貴様ァァァァ!!｣

｢彼らに一切の罪はござらぬ
全ての咎は彼らの主君たりえなかった将軍家にあり｣

茂々様はゴソッと懐を探る

｢叔父上あなたは止められなかった私も責を負う覚悟は出来ております｣

そしてそれを地面に落とす

その紙には解官詔書とかかれている

｢ともに地獄へ参りましょう」

｢しっ…茂々…
まさか貴様将軍を辞する気…｣

｢お引取りを
ここは侍の国にござる｣

茂々様の言葉を聞き奈落達が数人を除き船に戻る

だが天導衆の1人がふっと真選組を見る

｢侍よ、伝言だ

やつが待っているとな｣

そう言われ皆眉をしかめる

「誰にだ」

土方がそう聞き返す

だが天導衆は信女を一瞥すると何も答えず船へ入っていった

「なんなんだ･･･？」

訝しげに近藤が言う

「まあわからんもんは仕方ない
とりあえずは解決だ」

土方がそういいタバコを吸う

信女は安堵の表情を見せる皆を見つめ、ふっとAの方に目を向ける

「A･･･」

「銀ちゃァァん！」

「松苑さんんんん！」

2人の声が聞こえる

まずい。ここにいたら･･･

そう思い朧の腕を自分の方にまわし、立ち上がる

「！」

「なにを･･･して･･･」

「絶対･･･1人にさせないから
私は絶対あなたたちの隣にいるの」

泣きながらそういう

「もう1人で死なせたりしないんだから」

そういうと朧はふっと笑う

「あなたが一緒に死ぬべき相手はおれなんかじゃないでしょう」

その瞬間ビュウッと風がふく

「！」

体が軽くなり、ばっと隣を見ると誰もいなくなっていた

「あ！松苑さん！！」

「大丈夫ですかそんなに血だらけで･･･」

「……かないで……」

「え？」

「死なないで朧！」

「Aさん？！」

泣き叫ぶAを必死に宥める新八

「ど、どうしたんですか
落ち着いてください！そっちは落ちちゃいますよ！！」

「Aさん！！」

「A！！」