私の一番嫌いでスキな生き物5 (ページ4)

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鬼が四匹ページ4

｢ぱっつぁんきいていいか｣

江戸城の見えるビルの屋上に五人で立っていると銀時が口を開く

｢元将軍に会いにこっそり江戸城に忍び込んだのがバレたら俺達どうなる｣

｢死罪でしょ｣

｢じゃあ将軍を出待ちして近づいていったらどうなる｣

｢死罪でしょ｣

｢それじゃあ
ババアの花魁と
ジジイの元将軍
どっちが金ため込んでると思う｣

｢そりゃ流石に将軍様でしょ｣

｢よし作戦が決まったぞ
まずは月詠警備のスキをついてお前が城に忍び込め
そのスキに俺は警備にそれを密告し将軍から褒美をもらう
これで完璧だ｣

月詠はクナイを銀時に刺さらないギリギリのところに投げる

｢こうすればもっと完璧になりんす｣

｢落ち着いてツッキー
相手は元征夷大将軍だよ、会うどころか声をかけるのも至難の業なんだよ

大体会った所で何て言うワケ?

あんたが昔吉原で暴れん坊将軍やってた頃の元カノが会いたがってますよってか
確実に獄門だよ｣

｢地獄で元カノが会いたがっていると伝える｣

｢オイヤベーよこの娘(こ)
このままじゃ俺たち将軍暗殺の片棒をかつがされるよ｣

｢やっぱり侵入は無理そうですか｣

｢にしてもすごい見張りの数…」

何時もあんなにいないのに…

「そこかしこに見張りがウジャウジャだ
ありゃ何かあったな

そもそもよォあのババアの相手が将軍だったなんて眉唾もんだろう

いくら昔は江戸一番の花魁だったとはいえわざわざ将軍様が吉原に通うかね｣

｢将軍様か鈴蘭さんの常客だったのはまだ将軍職に就く前のわかりし頃ですよ
それに銀さん知らないんですか
十三代将軍定々様のこと｣

｢定々?｣

｢彼は天人襲来の折心労で倒れた十二代将軍にかわり執政についたんですけど開国を推し進めた売国奴と蔑まれる一方、幕府を立て直した名君とも言われているんです

将軍色職も辞した今も相談役として城中で絶大な権威を持っている一方遊興が派手なことで有名で、将軍家始まって以来の数の側室を抱えてたんですよ｣

｢要するに何だ
土曜夜8時暴れん坊将軍よろしくってことか｣

｢土曜どころか毎日夜8時暴れん坊将軍よろしくですよ｣