私の一番嫌いでスキな生き物5 (ページ30)

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鬼が三十匹ページ30

ワァァァと騒ぐ外を見ながら定々と朧が話す

｢これは…一体どう言うことだね｣

｢真選組と見廻組
江戸の二大武装警察が手を結んだようで｣

｢彼等は犬猿の仲と聞いていたがね｣

｢恐らく何者かが仲立ちしたと思われますが
いずれも弾丸風雨を切り抜けてきた猛者(もの)どもです

帳簿を睨む毎日を送る役人達にはおさえられるものではありません

もうじき船が来ます
用心のためご避難を｣

朧がそう告げると定々はホッホッホッホッホと笑う

｢殿｣

｢あの者ども本気で国盗りするつもりか
ならば…私も答えてやらなければなるまいな

全ての警察組織を城に集めるよう伝えてもらえるかね
全軍を持ってあの国賊どもを叩き潰す｣

｢…………｣

朧が黙っていると突然外からドォォンと爆発音が

｢なっ…何事だ!!｣

｢たっ…大変です!!
北門南門より軍勢が…｣

｢なっ…何ィ!!｣

｢バカな!!奴等の他にまだクーデターが…
一体何者だ!?｣

｢そ…それが｣

そう言いかけるとゴゴゴと大砲の動く音がする

｢いいか3秒以内に道開けろ
でなきゃ天守閣ブチ落とす｣

｢いち…｣

ドォォンと天守閣に大砲が打たれる

｢にっ…2と3はァァァ!!｣

｢しらねーな
男は1だけ覚えときゃ生きていけるんだよ｣

｢けっ…警察機構全軍?!｣

｢バッ…バカなァァ!!
警察組織そのものが反乱を起こしただとォォ?!
そっ…そんなバカげた事あるワケがない!!

反乱どころかそんな人員大殿(うえ)の許可なしに動かせるワケが…!!｣

｢一人だけいるよ
警察でもなんでも好き勝手動かせる人が｣

そういうと勲は城を、定々公を見る

｢まだわかりませんか定々公｣

真選組が道を明け、その道を馬が通る

そして馬が乗っていたのは…

｢国に仇なした国賊はアナタです｣