私の一番嫌いでスキな生き物5 (ページ22)

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鬼が二十二匹ページ22

今絶賛落ちてます

すっごい怖いです

真下に銀時が倒れていて、奈落がそれを襲おうとしていた

｢〜ッ!!｣

勢いのままで奈落の1人を殴ると月詠さんと信女も応戦する

｢!松苑!｣

その場にいる人が一斉にこちらをみる

｢どこにいたの｣

｢部屋に閉じ込められてて…
出るのに少し手間どっちゃったわ！｣

月詠さんがクナイを数本くれる

お礼を言って受け取ると銀時の肩に何かが刺さっていることに気が付く

信女もそれに気付いたようで刺さっていたものを抜きながら

｢経穴を突かれてる
しかも毒針で｣

｢ヤベーのか?｣

｢身動きが取れない所か毒を抜かなきゃ死ぬ｣

｢!!｣

銀時が深手を負い更に敵に囲まれている

逃げ場は無い

絶体絶命

｢ぐっ｣

すると定々公が口を開く

｢フッ随分と手こずらされたものだな
卿を前にしてこれ程長く生きた者も稀であろう｣

そういい奈落の1人が近づきながら帽子を取る

｢朧｣

｢!!｣

｢いえ
以前にも一度｣

「天照(てん)に抗いし修羅(おに)が一匹

変わらんな

お前のその目は

白夜叉｣

｢てっ…てめェは…｣

「朧･･･」

そう呟き、じっと朧を見る銀時

｢…………銀時?｣

月詠さんが不思議に思いそう呼ぶ

朧と銀時が知り合い…?

｢………おや
知り合いか朧｣

｢…殿寛政の大獄の遺児にございます｣

｢寛政の…大獄?｣

月詠さんがそう聞き返す

｢そなた吉原の者か
ならばしらぬのも無理もない｣

｢攘夷戦争…
開国の折政事(まつりごと)も知らぬ侍どもは幕府を売国奴と蔑み世の気運は攘夷一色となった

天人との関係悪化を懸念した幕府(われわれ)は侍共を弾圧
以来この国は長らく内戦状態へ突入した｣

「戦いが長期化するにつれ天人達は反乱鎮圧の協力のもと内政にも干渉し出した

皮肉かな
天人を排する攘夷運動が天人の台頭を生んだのだ

そして天導衆指揮の元幕府が取り行ったが世紀の大粛清と言われる寛政の大獄

各地に散らばる攘夷を扇動せし活動家不穏分子を大名公家に至るまで容赦なく粛清の対象とし
根こそぎ刈り取ることで攘夷運動は急激な衰退を辿ったのだよ

そのために、私の手足となって働いたのが朧卿であったな

あの頃はまだ先代頭の時代であったがアレもまた卿に優るとも劣らぬ古武術・発勁の達人であったな｣