私の一番嫌いでスキな生き物5 (ページ21)

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鬼が二十一匹ページ21

｢松苑!!｣

｢!!｣

聞き覚えのある声に驚き改めて前を見ると…

｢真選組…｣

名前を呼んだのは沖田さんのようだ

一気に私を警戒する土方さん達

少し傷つくな…

なんて思ってると沖田さんが再び口を開く

｢そんな所で何してるんですかィ｣

そう言われ、ハッとさっきの幕臣たちを思いだす

慌てて先程自分がいた部屋を見ると幕臣の人達が窓から身を乗り出してこちらを見ている

でも降りてくることは無さそうだ

｢なんでもない
銀時達はどこ?｣

｢テメーに教える情報なんぞねーよ｣

割り込んできたのは土方さん

｢オイ｣

沖田さんと土方さんが睨み合う

こんなことしてる場合じゃないのに…

するとなにかが私の肩を突き刺す

｢ッ!｣

思わず膝をつく

何?!

慌てて肩を見るとそこには錫杖

｢!｣

すると先程の窓から奈落が出てくる

｢松苑!!降りてきなせェ!!｣

そう言われ改めて下を見ると再び恐怖で身体が固まる

｢俺が受け止めやす!早く!!｣

｢おい総悟正気か?!｣

土方さんにそういわれるが総悟はこちらを見続ける

その姿がどうしてもあの人と被ってしまって涙が出る

【「私が受け止めますから」】

｢?！｣

突然泣き出した私に動揺する真選組

すぐさま私は振り返り、奈落の一人を下に向かって蹴る

ドガァッ

思った以上に力が入り奈落は気絶しその下の瓦は割れて下が見えている

錫杖を抜くと直ぐに回復する

中からは銀時たちの声

｢松苑…｣

呟くように沖田さんは私を呼ぶ

ここを降りれば化け物なのがバレるだろう

そうすればもう真選組のこの人達は勿論銀時達にも会えなくなる

｢ありがとね｣

｢!!｣

それだけ言って私は下に落ちた