私の一番嫌いでスキな生き物5 (ページ3)

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鬼が三匹ページ3

｢つーかうっせーお前もお黙リンス!!｣

｢貴様の方こそ黙りんす!!｣

｢あーもういいですよ
二人とも素直じゃないな｣

見かねた新八がそう仲裁にはいる

｢銀ちゃんもツッキーもバーさんが死ぬ前に一目約束の男とあわせてあげたかったんでしょ｣

この2人は鈴蘭っていう人の願いを叶えようとしてるのかな?

だとしたらみんないい人だけど…

｢は?｣
｢は?｣

すごい勢いで新八くんを睨みつける二人

｢あれ?｣

｢…え?違うんですか｣

｢わっちは吉原の女の心を踏みにじった卑劣漢にケジメをつけに来ただけじゃ
鈴蘭が死ぬ時それは男が死ぬ時じゃ｣

ジャキとクナイを出す月詠さん

｢いや何恐ろしいこと企んでんのォこの人ォォ!!｣

｢約束……しちまったからな
男に会わせたら溜め込んだ遺産全部くれるって｣

｢ウソをつけェェェェ!!
何勝手に約束ねじ曲げてんのォ?!

アンタら結局真っ暗なことしか考えてないじゃないスか!!｣

｢まあ月詠さんはともかく銀時だもんね…｣

｢何を言っておる
男はわっちが始末する｣

｢させねーよ
太夫の遺産は俺のものだ｣

ズンズンと前を行く2人

｢ちょっとちょっと待ってェェェェ!!｣

｢そんなカンジじゃマズイです銀さん!!」

｢いやそんなカンジじゃなくてもマズイんですよ頭!!｣

｢は?何が言いてーんだ
てめーら｣

｢いや実は昔の鈴蘭さんの顧客情報にたどり着いたはいいんですがその客が…大変厄介な客で…

遊女の中でも最高位である太夫は大名道具と言われるほど買うのにお金がかかります

それでも押しも押されもせぬ人気花魁鈴蘭さんには高禄の旗本などがたくさん客についていました｣

｢でも、その客足はある時期からパタリと途絶えていたんです

もちろん鈴蘭さんが客を取れなくなったワケではありません
旗本たちの金庫が空になったワケでもありません

ある噂が吉原に流れたからです

鈴蘭はあの方のお気に入りだと｣

｢………｣

｢あの方?って一体…｣

｢江戸城(あそこ)に住んでる人です｣

｢……新八くんそれはつまり｣

｢先代将軍様です｣