私の一番嫌いでスキな生き物5 (ページ14)

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鬼が十四匹ページ14

sideなし

江戸城にてそこには土方と近藤がいた

｢しょ…将軍暗殺ぅ!?｣

｢デッケー声出すんじゃねーよ
殿中に賊の侵入を許した上に将軍様の御身を危険にさらしたなんざ幕府開闢以来の不手際｣

｢外に漏れれば幕府の信用に関わる…
情報の機密に細心の注意を払えとよ｣

｢そっ…それで将軍様は?!｣

｢心配ねーよ
気を失ってたらしいが命に別状はねぇ

既の所で定々公が賊の存在に気づいたとか

だが代わりに殿中守護を預かってた佐々木がやられた｣

｢!!｣

｢まァこんな失態をおかしたんだ

どの道奴の首は飛んでいただろうがな

見廻組は即殿中守護を解任
お取潰しも時間の問題だろうよ｣

｢ま…まさかあの見廻り組が｣

｢おかげで俺達ゃ見廻組(やつら)の後任(おこぼれ)に預かれたってワケだ

目障りな連中が消えたのは結構だがね｣

｢…どうしたトシ｣

｢いや…どうにも臭ェ｣

｢えっ!!臭い?!なにが?!｣

｢普段の幕臣連続暗殺事件の下手人だが知らんが城中に侵入万座中からの手引きなしには不可能だ…内通者の存在は明らか

なのに上はロクな取り調べもなしに明朝下手人を処刑するなんぞとのたまっている｣

｢何かをもみ潰そうとしているようにしか思えねぇ｣

近藤は｢あーよかったスカしたのがバレたかと思った｣と呟く

｢近藤さん?｣

土方はまさか自分の頭がこんなことしているとは思うまい

｢そっそーかどーも薮蛇臭ェが｣

｢洗ってみるか…その下手人｣

｢大胆不敵にも白昼殿中に押し入り
幕府(よのなか)ひっくり返そうとした

そのバカ…｣

2人の見ていた牢屋には見覚えのある顔がいた

｢あっ近藤くん!!土方くん!!」