最終話 ページ30
三途side
「Aとはより戻せたか、三途」
「おかげさまで」
「俺の発言のせいでこんなことになって悪かったな。まさか信じるとは。意外とバカだな」
「なんですかその言い方! あんな目で言われたら信じますよ!」
首領は小さく笑った。本当は、Aを失って辛いのかもしれない。
けれど首領はそれを表には出さない。
「三途」
「うっす」
「Aはどうやってもお前を嫌いにならないらしい。それがわかって、ようやく諦めがついた」
「首領……」
「幸せにしてやれよ。お前も幸せにな」
俺は首領に深くお辞儀をした。
「神に誓ってAを幸せにします」
「うん。んじゃ、俺仕事行ってくるわ」
首領は座っていたところからトンッと降りると、振り向きざまに微笑んだ。
「今度3人でバー行こう」
首領の言葉に、俺は大きく頷く。
"前みたいに、3人で仲良くやろう"
首領のそんな意思が読み取れて嬉しくなった。
俺たち3人は高校の時から変わらない。そうありたい。首領も同じ思いなのだと知り頬が緩んだ。
______
「ねぇ春。落とし穴事件の写真持ってない?」
「アルバムに入ってる」
「春、アルバムとか作ってたの!? 意外なんだけど!!」
「まぁな。なんで?」
「いやぁ……」
あの写真を捨ててしまったから、もう一度焼き増ししたいなんて言いにくい。
しかし春は何かを察したように私の頭を撫でた。
「写真も服も鞄も、困るくらい新しいの買ってやるよ」
「もう、そんなんじゃないって! 写真だけあれば十分だよ」
「だめ、お前には何不自由してほしくないからな」
春は私の肩を抱きながら言う。私も春にもたれかかって、この幸せをかみ締める。
半年間もそれが当たり前じゃない時期があったなんて、信じられない。
「はぁ、幸せ」
「俺も。式場どうする? あと誰招待する?」
「もー、気が早いんだから! まだ籍も入れてないし」
「俺はもう書いたぜ。あとはお前の分だけ」
そう言って婚姻届を取り出す春に「気が早い!」なんて言いつつも、心は歓喜している。
今すぐにでもサインしよう。
「今日出しに行こうよ!」
「おう、いいぜ。本当に俺でいいんだよな?」
少しだけ不安そうに聞く春に、私はギュッと抱きつく。
「春じゃなきゃ嫌なの!」
____fin.
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りゆ - 最高… (2022年2月7日 14時) (レス) @page32 id: 84a89ccece (このIDを非表示/違反報告)
みくる(プロフ) - 華さん» たくさんコメントくれてありがとうございます!!支えられていました…😌頑張ります! (2022年1月30日 11時) (レス) id: af4838d834 (このIDを非表示/違反報告)
みくる(プロフ) - チョコプリンさん» チョコプリンさんありがとうございます😭これからも頑張ります!! (2022年1月30日 11時) (レス) id: af4838d834 (このIDを非表示/違反報告)
華 - 祝!完結!これからも応援してます!頑張ってください! (2022年1月30日 9時) (レス) @page32 id: a19f9ab121 (このIDを非表示/違反報告)
チョコプリン(プロフ) - 完結おめでとうございます☺️私は最終話の幸せそうな2人を見れて笑顔になりました🥰🥰🥰これからも応援させていただきます📣 (2022年1月30日 8時) (レス) @page32 id: e53e09d499 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みくる | 作成日時:2021年12月8日 20時