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蘭さんとの奇妙な関係が始まってから、3ヶ月が過ぎた。
食事の付き添いや、料理や、時には夜の相手も頼まれた。
もはや第三者からはカップルと間違われてもおかしくないだろう。
しかし依然として私の命は彼に掌握されている。
ヘマをすれば殺されることは変わらない。
今日は蘭さんの命令もなく、特に他の用事もないので、家でのんびりとしている。
「はぁ…………家最高。家しか勝たん。二度と出たくない」
と呟いたところで、電話が鳴った。
スマホには『灰谷蘭さん』の文字。
家のこと考えたら蘭さんから電話くるシステムなんなの?
もう家最高とか考えないようにしよう。
「もしもし」
「1時間後にいつもの駅に来い」
蘭さんは私の返事も待たずにブチッと電話を切った。まぁ、いつものことだけど。
1時間か。今日は随分と余裕があるな。(最速15分)
私はパジャマから普段着に着替え、メイクをし、身なりを整えて外に出た。
雨が降っているので傘を持つ。
「なんで雨降ってんの……」
雨は嫌いだ。髪の毛が崩れるし、スカートに泥が飛び跳ねたりするし、傘を持つのも煩わしい。
その上これから行くのは私の命を握っている人物の所。
最悪の四拍子じゃねーか!!
「早かったね」
指定時刻の15分前に到着すると、蘭さんは既に来ていた。
いや早いのはあんたの方だよ!!
「今日は余裕がありましたので……」
「行こう」
「食事ですか?」
「映画館」
「はぁ……って、えぇ!?」
映画館!? なんで!?
どこかに出かけるなんて食事以外初めてだ。
この人も映画とか見るんだなぁ。
何見るんだろう。やっぱホラーとかなのかな。
「珍しいですね」
「うん、たまには出かけようかなって」
「何を見るんですか?」
「これ」
私の質問に、蘭さんは1枚のパンフレットを取り出した。
「へぇ〜……って、えぇ!?」
ゴリゴリの恋愛映画じゃねーか!!
マジかこの人正気か!?
しかも純愛映画……。純愛の"j"の字すらないこの人が!? (失礼)
「Aが好きかなって」
「いや私の事なんて気にせず蘭さんの見たいものを……」
「ない」
「あぁ……」
こうしてなぜか、蘭さんと純愛映画を見に行くことになった。
ある意味死ぬ。
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まお - 完結おめでとうございます!キュンキュンしながら読ませていただきました。蘭ちゃんの色気がものすんごいのは間違いない(確信) (2022年1月23日 7時) (レス) @page31 id: 4ee49a658f (このIDを非表示/違反報告)
みくる(プロフ) - 華さん» ありがとうございます!!良作を作れるよう頑張ります! (2022年1月17日 14時) (レス) id: af4838d834 (このIDを非表示/違反報告)
華 - 完結、おめでとうございます! これからも変わらず応援してます! (2022年1月16日 23時) (レス) @page31 id: a19f9ab121 (このIDを非表示/違反報告)
みくる(プロフ) - ゆさん» 最後まで読んでくださりありがとうございます!素敵と言っていただけて嬉しいです!☺️ (2022年1月16日 20時) (レス) id: af4838d834 (このIDを非表示/違反報告)
みくる(プロフ) - ATR214YSさん» 最後まで読んでくださりありがとうございます!楽しんでいただけて光栄です😌 (2022年1月16日 20時) (レス) id: af4838d834 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みくる | 作成日時:2021年12月2日 19時