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朝、カーテンの隙間から差し込む日差しで目が覚める。
あれ、私昨日何してたんだっけ。
見れば服は昨日の服のままだし、顔の乾燥具合からしてメイクすら落としていない。
「うーん……」
寝ぼけた頭でスマホを取り出すと、
『灰谷蘭さん』
と書かれた名前から着信履歴が残っていた。
その名前を見た途端、一瞬にして昨日の記憶が流れ込んできた。
そうだ私、殺人現場を目撃して、犯人に見つかって犬になったんだ。
そして次の瞬間には全身から血の気が引いていくのがわかった。
「殺される!! 折り返し！ 折り返し！」
パニックになった私は叫びながら蘭さんに折り返しの電話をかけた。
「なんで出なかった。殺す」
なんてこった。やっぱり私、殺されるようです。
なんて呑気に考えている場合じゃない！
「すみません!! 私、昨日何もせずに寝てしまって、今起きたんです!! わざとじゃないんです！」
「はは。そんな必死になんなくていいよ」
「でも……」
「仕事出かける前にかけてきたから許す」
蘭さんは一貫して平坦な口調で言う。
もちろん、「殺す」というところも。
「あの、それで、用件はなんでしょうか」
「ん、仕事前に声聞きたかっただけ」
「そうでしたか。お仕事頑張ってください」
いや本当は頑張ってほしくないけどね。絶対やばい仕事だろうし。
でも知らない人の命より自分の命!!
なんて、私は卑怯だろうか。
卑怯だって構いやしない。
私だってまだ死にたくはないのだから。
「ありがと。じゃあね」
「はい」
「あ、次1回で出なかったらスクラップね」
「はい……」
蘭さんとの電話を終え、盛大に安堵のため息を漏らす。
これからこんな毎日が待っているのかな。
そう考えると、先程までは自分の身を案じていたが、死にたくなった。
「今日は豪華な夜ご飯食べよ」
私は朝ごはんをかき込むと、軽くシャワーを浴びて仕事用のブラウスに腕を通す。
昨日の洗濯物を終わらせてしまおうと、床に散らばっている服を拾い上げると
「え、何これ！」
昨日着ていたブラウスに軽く血が着いていることに気が付いた。
蘭さんの手とか、あるいは鉄パイプから移ったのだろうか？
「はぁほんと勘弁して……」
私は洗濯をやめて項垂れながら家を出た。
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まお - 完結おめでとうございます!キュンキュンしながら読ませていただきました。蘭ちゃんの色気がものすんごいのは間違いない（確信） (2022年1月23日 7時) (
レス) @page31 id: 4ee49a658f (このIDを非表示/違反報告)
みくる(プロフ) - 華さん» ありがとうございます！！良作を作れるよう頑張ります！ (2022年1月17日 14時) (レス) id: af4838d834 (このIDを非表示/違反報告)
華 - 完結、おめでとうございます！ これからも変わらず応援してます！ (2022年1月16日 23時) (レス) @page31 id: a19f9ab121 (このIDを非表示/違反報告)
みくる(プロフ) - ゆさん» 最後まで読んでくださりありがとうございます！素敵と言っていただけて嬉しいです！☺️ (2022年1月16日 20時) (レス) id: af4838d834 (このIDを非表示/違反報告)
みくる(プロフ) - ATR214YSさん» 最後まで読んでくださりありがとうございます！楽しんでいただけて光栄です😌 (2022年1月16日 20時) (レス) id: af4838d834 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みくる
| 作成日時：2021年12月2日 19時
