第十二話 ページ12
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「良い、過ぎた話だ。俺にも非はあるからな、ほら。さっさと位置につけ！」
「はい！」
俺は深いため息を吐いた。
天使長・フォルティエスは、あの蛇を、あの悪魔を敵ではないと言っていた。
俺はどうしてもそれが気になって仕方がなかった。
フォルティエス自身も、何故あんな状況になったのか、あんなことをするのか理解できていないようだった。
ウーファス、と言ったか。
あれは何かを企んでいた。
嫌な事が起こる前兆と言うべきか。
「ダント」
「！」
前方から正装に身を包んだフォルティエスが声をかけてきた。
「天使長、どうなさいました？」
「いや、皆大事はなかったか？」
「はい、あの悪魔の言っていた通りただ眠らされていただけだったようです。本当に何をされるのかわかったもんじゃねえ」
「私も彼のやることには予想がつかないからな。 ……ウーファスは、下界に降りたようだ。人間を誑かしていたらしい」
「な！？ それは本当ですか！」
「ああ。クアルスの水晶で確認したから間違いはない」
あの悪魔め、やはり何か企んでいるに違いない。
俺は拳を固く握りしめた。
力がこもり拳は震えていた。
「ダント。明日の会議のことだが、お前の部下の証言を集め、会議で発表してくれないだろうか？」
「勿論そうしますよ。明日の朝までに証言を集めてきます」
「ありがとう」
「では、俺はこれで」
そう言って一礼し、エクエティスの屋敷の方へ翼を羽ばたかせて飛んで行った。
エクエティスの屋敷は、俺、プラエダント率いる騎士天使が住まう屋敷で、俺やほかのエクスシーアイの騎士たちもそこで暮らしながら日々鍛錬に励んでいる。
明日の会議、何も起きなければ良いのだが。
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作者名：赤間 | 作者ホームページ：
作成日時：2020年5月18日 17時
