第二話 ページ2
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「何だ！」
扉を荒々しく開けて入ってきたのはプラエダントという天使だった。
プラエダントは門番の仕事をしている騎士天使で、七大天使の一人だった。
今日は非番のはずだ。
プラエダントはウーファスを追ってきたのだろう、細長い槍を構え、彼は今にも攻撃しようとして殺気立っていた。
声を荒げ、プラエダントに向かって叫んだ。
「やめろ、ダント！こいつは敵ではない！」
確固たる証拠はない。しかし、私は知っていた。
ウーファスは「ほう？」と私を試すかのような口調で言った。
「私を敵ではないと何故言い切れます？」
「私は……お前のことを、よく知っているからだ」
旧知の仲、と言えようか。
レークレイと私と、赤い蛇——ウーファスはレオー・オリエンス城でも、その庭園でもよく共にいた。
彼らのことは私がよく知っているはずだった。友人と思っていた二人はもう、堕ちてしまったが。
「お言葉ですが」とプラエダントは殺気を露わにして申し立てた。
「なんだ？」
「この悪魔に尋ねたいことがありますが、よろしいでしょうか」
「ああ」
ウーファスはじっとプラエダントの方を見た。
まるで見定めているかのようだった。
「貴様、門番はどうした？エクスシーアイの兵士が見張っていたはずだ」
丁寧な物言いだが、隙があれば今にもウーファスを殺してしまいそうなほどに槍に力を込めている。
槍の刃先に魔力が込められていくのが見てわかる。
ウーファスはふん、と鼻を鳴らした。
「失礼。彼らには少々眠っていただいているだけで、もうすぐ目覚める頃かと」
「貴様ッ……！」
「よせ、ダント！もういい」
「ですが！」
「ウーファス、お前は何をしに、そこまでして……」
また一度、ウーファスは私を一瞥し、目を伏せて言った。
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作者名：赤間 | 作者ホームページ：
作成日時：2020年5月18日 17時
