夢想 ページ14
「「「「「宴だあああああぁぁぁぁぁ！」」」」」
「Aの生誕を祝って、盛り上がるぞー！！」
「「「「「おーーーー！！」」」」」
今日は私の誕生日。
今まではずっと1人で寒さに凍えながら丸まって、誕生日なんて考えたこともなかったのですが、ハートの海賊団に入ってから、毎年皆さんお祝いをして下さるのです。
とても、ええ、とても暖かい気持ちになります。
「飲んでるかー！A！」
「シャチさん……！飲んでますよー」
「今日の主役はお前なんだからなー！楽しめよー！！」
「ありがとうございます！！」
おめでとう、仲間になってくれてありがとう、これからもよろしく、など、たくさんの言葉をかけてくれる皆さん。
本当に優しい方たちです。
「……楽しんでるか」
「キャプテン……！」
少しバツが悪そうに声をかけてくださったキャプテン。
キャプテンは恥ずかしがり屋さんですからね。
「ええ、とても」
「……そうか。」
と、戻って行ってしまいそうなキャプテン。
一つだけ、言っておかなければ。
「キャプテン」
「……何だ」
「ありがとうございます。私を、こんなに素敵な海賊団の仲間にして下さって。」
感謝を、しなければ。
「毎日がとても楽しいです。新鮮なことばかりで、何年かご一緒させていただいていますが、それでも、毎日が本当に楽しいです」
この人がいなければ、今の私も、この海賊団もなかったのですから。
「……そうか」
「きっと、キャプテンが優しいお方だから、こんなに素敵な方たちが集まったのですね」
「……バカ言うな」
「いいえ、いいえ。あなたは本当に優しいお方です。誕生日にはまだ早いですけれど、生まれてきてくれてありがとうございます」
「……お前が言われる立場だろうが、今日は」
「ふふ。そうかもしれませんね」
耳が真っ赤です。
普段はクールなポーカーフェイスなのに、こういう時に限って恥ずかしがり屋さんが出てしまう、そんなキャプテンが私達クルーはとても大好きなんです。
「……生まれてきてくれて、……あり、がとう」
「……はい……！」
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作者名：はっじ | 作成日時：2019年9月21日 0時
