季節はずれの雪と恋。2 T.F

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朝ゆっくりしすぎて日本を飛んだのが遅かったから
着いたのは夕方で。


飛行機に乗ってただけだったのに疲れたね、
なんて言って笑った。






ホテルにつくと、きゃっきゃしてキャリーを持ち歩くAが可愛くてつい顔の筋肉が緩む。









『部屋行く？』



「うん！！」









予約を取ったホテルの詳細を言わなかったのは
ちょっとしたサプライズだ。




ロビーで鍵を受け取り部屋の前に立ったときに
Aに鍵を渡す。

え？って顔に、開けてみてって笑いかける。









「っ、うわぁーっ…」









頼んでおいた通りだ。




扉を開ければ床にピンクと赤のバラの花びらで
道が作られてる。






壁にはふたりで撮った写真をおしゃれに飾ってライトアップ。




ベッドの上はハート型の風船をたくさん置いて、
真ん中にはプレゼント。









『開けて？』









もうすでに呆気にとられてるAは、我にかえった表情を作って箱のリボンをゆっくりと外した。









「これ私がほしかったやつ…！」



『この前見てたから、ほしいのかな？と思って。
これはお揃いで俺の分も買っちゃった！』









Aはほしいものとか聞いても言わないから、
なにあげたら喜ぶだろうって考えた結果


ここ数週間前にネットで見てたバッグと時計をプレゼントに選んだ。

時計は俺も一緒のほしくてお揃いにして。









「ありがとうたつやくんっ…」



『泣かないでA！これで最後じゃないよ？』



「ふぇっ？…」









泣き出したAの涙を拭いて、手を引き部屋についたプールに連れて行く。





スイッチを手渡し、ここ押して？って言うと
戸惑いながらそのスイッチをAは押した。









プールの色がピンク色になって、
たくさんのカラフルなシャボン玉が降り注ぐ。









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『ちゃんとプロポーズしたかったんだ。


これからAの人生の時間全部俺にちょうだい？


その分俺も、俺の人生の時間全部かけて一生幸せにするから。


俺と結婚してくれてありがとう』

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