季節はずれの雪と恋。T.F

○43 ページ43

.









冴「Aこっち先やったほうが良さそうじゃない？締め切りこっちのほうが早いかも」



「あっ、ほんとだ… すいません」



冴「あせんな笑」



「はい…」



冴「明日はやっと休みの日なんだから、ゆっくり休めよー」









まったく自分の仕事が思ったようにできなくて
心のどこかで焦ってしまってる。




特に上の人に怒られたりっていう堅い会社なわけではなくて、自分のペースでやりなーって感じの会社だからまだ助かってるけど、さすがにここまで思い通りにならないと考えてることとやってることが違う自分に苛立ちが募る。









帰り道、いつも通る道なのにすごく長い道のりに感じる。



もう1ヶ月以上もふっかさんに会えてない。






悲しいけど、私なんかよりも忙しいたつやくんに
会いたいなんてわがまま言えなかった。









だけど…





「もう、無理だっ…」









ごはんを食べる気力もなく
そのまま家についたらお風呂に入り、ごめんなさいと心の中で謝ってからスマホに“たつやくん”の画面を表示させて画面をタップした。







〜♪ 〜♪ 〜♪ 〜♪







何回かコールを鳴らしてみたものの出る気配はなく、お仕事中だったら迷惑だろうと電話を切った。









「はぁっ…」









そうため息をついたときだった。







ガチャッ





玄関から突然鍵の回る音がして、怖くてベッドの横に隠れた。






足音が近付いて顔をあげると、









『A！』









そこには満面の笑みのふっかさんが。

○44*→←○42*

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す