トレーナーは女の子。#8

◇156 ワイン。坂本side ページ6

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ワインセラーの2段目にあったワインを1本あけた




風呂上がりのビールよりも最高なもんないやろって思ってたんやけど、まったりなんもしないで飲むワインもこれまた最高で。









『ももたろうもはよこっち来いやー？』


「ちょっと待って」







キッチンから顔を覗かせた彼女をせかすように呼ぶと、そそくさと俺のところに来た。



ワインなんて珍しい、ってももたろうも言うくらいめったに飲まないし、ましてやお客さんも来てないのにワインをあけたことなんてない。








『ももたろうも飲めよ』


「私はいいよ」


『最悪の場合、介護したるから大丈夫やで？』


「介護されるまで飲みません」









おそろいのグラスにワインをそそいでももたろうに渡すと、困った顔をするももたろう



まぁだいたい予想はついてるんやけど(笑)









『どうした』


「…苦くない？」









ほらほら始まったww
甘いもんばっか好きやから、苦いもん苦手やねんな






『大丈夫やから、飲めばわかる笑』


「っ、」


『おいっ！』









こいつほんまにアホやろ！
いくら大丈夫言うても、一気飲みするアホいるかよ！





やばいと思ってももたろうの様子をうかがってれば、みるみるうちに顔が真っ赤になって、ペタッと俺に寄りかかってきた。








『一気はあかんやろ』


「…ふふーんっ」


『呑気やなぁ』


「もう、いらないっ…」


『もうあげない』









あー… こんなとろんとした目で見られたら目離せへん…
無意識でやってんのがこれまた、なぁ…








『ちゅー、する？』


「しないっ」


『なんでやねん』


「だって…」


『なに？』


「さかもととちゅうしたら、苦くなっちゃうもんっ…」









あかん、冷静に。

今日はもうさっさと静かに寝よう…








『わかりましたっ。寝ましょうね』


「だっこ」


『はいはい』

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