トレーナーは女の子。#2

◇87 スクープ。坂本side ページ37

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ドームのロッカーは、いつもよりもざわついてた。
中に入れば、みんなが“はやとーー！！”ってバシバシたたいてきよるし、ずるいだのももたろうを奪っただのわけわからんかった。


でも、その意味もすぐにわかった。









長「これ、」

坂「あっ……」

高橋「勇人、ちょっと来なさい」

坂「はいっ…」









長さんから渡されたのは、俺とももたろうがふたりで歩いてたところが大々的にスクープされてた新聞と雑誌だった。
監督室に入ると、監督がゆっくりといつもとかわらない表情で話し始めた。









高橋「Aと、付き合ってるの？」

坂「付き合っては、ないです…」

高橋「そうか」

坂「はい」

高橋「…まぁ、Aとなら別にって感じだけどな」

坂「えっ？」

高橋「下手な女捕まえてくるより安心だよ。俺、Aの保護者感覚だからね」









監督、優しすぎるっす。



怒られんくてよかった…





ほっとして監督室を出ると、困り果てた顔して俺のとこに来たももたろう。
たぶんこいつも見たんやな









「ごめんっ…！ごめん、私のせいでっ…」

坂「大丈夫やでー？ぜーんぜんっ」

「ほんと？…」

坂「ほんまやってー(笑)心配しすぎ、」

「よかったぁー…」









まぁ、もし怒られてたとしてもこいつのことあきらめる気はなかったけど。
俺が誰と付き合おうが誰と結婚しようが、誰にも関係ないことやし
自分で選んだ女やったらええと思ってるし。









「怒られなかった？」

坂「怒られてないってー、たとえ怒られたからと言っても別にって感じやから(笑)」

「…」

坂「なに？」

「…なんでもない」









訳わからんとこも、嫌いやないで？



むしろ好き。

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