tn-アポテムノフィリア ページ12
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「Aっ！？」
『あっ、、トン氏、、やっほー』
病院のベッドに横になりながら、点滴に繋がれている手で手を振ってくれるA。
その手を両手で握り、包帯に巻かれている彼女の姿を見て涙を流した。
「う゛っ、、ぅう、、ごめっ、、ごめんな」
『やだなぁ、、トン氏のせいじゃ無いでしょ？』
車に引かれたそうだ。
朝の通勤時間に信号無視した車に引かれ、重体とのことだった。
しかも犯人はそのまま轢き逃げ。
「ごめっ、、俺が不甲斐無いせいでっ、、」
『しょうがないよ、、。ね？トン氏は悪くないから』
普通、誰よりも辛い思いをしているAを俺が慰めるのに、逆に慰められている。
不甲斐無い。何も出来ない。
そんな無力の自分に心底腹がたったし、Aがこんなになってしまったのに、何か出来なかったのかと涙が出てくる。
「いちばっ、、辛いんわAなんに、、っ」
『、、トン氏は優しいね。』
目に膜を貼って、俺頭に手を乗せてくれるA。
あぁ。なんでお前はこんなに優しいのに、こんな目に合わへんと行けないんや。
この世界に、神が居るなら呪ってやる。
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あの事故から数ヶ月。
一時期へホンマに危なかったが、Aは今では前と同じ様に元気な姿を見せている。
そして、俺の心情にも変化が見られた。
『あっトン氏。』
「よっ。」
今日も見舞いに来ては、病院に内緒でプリンだったりを差し入れたりする。
「、、やっぱまだ違和感あるか？」
『まだねー、、。あったはずの物が無くなってるんだし。』
あのあと、Aは事故の後遺症から両足の切断を余儀なくされた。
決断したのはA本人だ。
「また今度、外出許可出たらどっか遊びに行こうな。」
『うん。ありがとう』
こんなことAに、、彼女に思ってしまうのはいささか失礼だし、不謹慎に思われるかもしれん。
ただ、布団の途中から無くなっているあの場所が見てみたいと心底思ってしまう。
そして、今、足の無い彼女を見て気持ちが昂ってしまうのだ。
あの時、Aが足を切る決断をして俺にすがりながら泣いていたのも、片足、片足と手術され、無くなっていく足。
その光景を見るたびに彼女に対して興奮してしまうのだ。
続く
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作者名：�俎� | 作成日時：2022年12月3日 14時
