単なる恋情【d!】 (ページ1)

今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:14,371 hit

gr-オートアサシノフィリアページ1

gr side

「ん、、ぅぁ゛、、。」

眠りから目が覚める。
外はまだ暗く、中途半端は時間に起きてしまったと深くため息を付く。
一国の軍の最高指揮官と言うこともあり、眠りは浅はかなモノですぐに目が覚めてしまう。
ただ、今日はいつもとは違かった。

「、、灯りが、、。」

枕元のランプの灯りが付かない。
電球の寿命か。
災難だと思いながら、暗がりの中に潜んでいる気配に意識を向ける。
どこにいるのかは生憎だが、目が悪く見えない。
だが巧妙に消そうとしているのがバレバレでむしろ存在感を写し出す。

『、、、っﾀﾋね！！』

「っ！？」

背後から何者かに刺される。
咄嗟に反応してベッドから離れ、隠し持っていたナイフを構える。
背中からは血が溢れているが、まだ浅い。

「何者だ、、。」

『、、、。』

影はゆっくりとこちらに向き直り、言葉を発さないままこちらへと走ってきた。
そしてそのまま俺は呆気なく押し倒され、影に首を絞められる。

『ﾀﾋねっ、、ﾀﾋねっ、、！お前なんか、、お前なんか、、！！』

影は声を発し、絞める力もどんどん強まっていく。
ただ、何故か俺は抵抗をしなかった。
何故なのだろうか。
腹の底から沸き上がってくるような興奮と熱。
首を絞められて苦しい筈なのにそれすらも心地よいと思ってしまう。

「ぅ゛っ、、ぐっ、、がはっ、、はははっ、、。」

『何がそんなに面白い、、！』

影は体重をかけて、確実にころそうとしてくる。
いや。その方が有難い。
呼吸が出来なくなり、苦しくなり、背中の傷も血の脈打つ音すら鮮明になる。
生きてきてここまでの快感を、幸福を得られたことがあっただろうか？

その時、窓から月の光が射し込まれる。
俺の部屋を写しだし、影は人の姿を見せた。

「、、っA、、。」

『その口で私の名前を言うなっ、、この人ごろし！』

飼い犬に手を噛まれるとはこう言うことだろうと、冷静に思えた。
A、、我が軍の兵士だ。
何で彼女が、人ごろしとはどうしてか、なんて考えは二の次で、ただただ見知った者からの穀意に興奮が収まらない。
酸素も回ってこず、このまま意識を手放せたらどれだけ幸せだったのだろう。

「、、っおい！誰だ！」

邪魔が入った。

続く