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貴方side
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『あっ、、。あったあった。』
入りくんだ道を歩き回っていたら、ようやく私がぶっ倒れた所に行き着いた。
寂しそうにポツンと置いてけぼりにされた配膳台。
こりゃ中のお皿達はすぐに洗わないとだな。
『はー、、お前が居ないと大変だと思い知ったよ配膳台、、。』
持ち手を掴み、押せばガラガラと音を立てながら配膳台は動く。
道は大体理解したから迷い無く進める。
昨日今日でたくさんの患者さんに顔を知って貰えた筈だ。
『オスマンさんとか、、トントンさんとか、、。』
一人、二人と数えてみれば、11人。
入院しているのは12人。
あと一人を除けばもう全員と会っている。
『あと一人のグル、、なんちゃらさんだったか?』
色んな人たちが言っていた、グルなんちゃらさんの姿を想像する。
ここまで歩き回って会えないなら寝たきりなのか?
もしくはコネシマさん見たいにただ遠いとか、、。
そんなことを悶々と考えながら無心に歩いていると、当然、曲がり角から飛び出してきた人影にすぐに対応できる筈もなく、ゴンッと言う音を立てて配膳台が止まった。
『、、!?だっ大丈夫ですか!?』
慌ててその人影に近寄る。
ここに入院している位だ。打ち所が悪かったらホントに危ない。
最悪の場合、命に関わる怪我を負ってしまっているかもしれない。
そんな私の心配を他所に、人影は私の前に掌を向け、静止する。
「心配ない。大丈夫だ。」
『私の不注意で、、ホントにごめんなさい。何か変なことあったら全部私の責任なので!!』
そう言いながら人影の体に異常が無いか、チェックする。見た目では何も無さそうだが、大事があるといけない。
一応この人影を動かさず、どうにか診ないといけないなと少しあたふたしていると、
「、、君は新しい医者か?」
『あっ、、はい!新しく配属されました川上Aです!』
そう言えば人影は、目を見開いて私を見つめる。
何なんだここは医者が医者っぽかったら吃驚する教育でもうけたのか?
「川上、、Aか、、。」
『はい。、、えっと何か?』
「いや。何でもない。」
人影はそう言うと、埃を払って立ち上がる。
そして、
「すまなかったな。」
と言って曲がり角を曲がって去っていった。
慌ててその後を追うが、姿はもう見当たらない。
『、、誰だあれ、、。』
その言葉が何もない空間に虚無に響いた。
続く
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腐女子 - うーん、、、あんま面白くないです、、、時間無駄にした。 (9月29日 10時) (レス) @page6 id: c3d964327f (このIDを非表示/違反報告)
綷撥(プロフ) - へみおらのりりぃさん» へみおらのりりぃさんコメントありがとうございます!その言葉で頑張れます!ありがとうございます! (2022年12月2日 17時) (レス) id: 077ab00643 (このIDを非表示/違反報告)
へみおらのりりぃ - 神やん 連載頑張ってほしいですねぇ(*^。^*) (2022年11月30日 16時) (レス) @page44 id: 9448ccf0f8 (このIDを非表示/違反報告)
綷撥(プロフ) - 森の民さん» 森の民さんコメントありがとうございます!包丁のシーン気に入って貰えて良かったです!作者も好きです!ありがとうございます! (2022年11月26日 20時) (レス) id: 077ab00643 (このIDを非表示/違反報告)
森の民(プロフ) - 包丁のシーンめちゃくちゃ笑いましたwストーリーもネタも夢主ちゃんの性格も好きです…! (2022年11月26日 12時) (レス) @page41 id: 6c1a629d1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:俎 | 作成日時:2022年11月9日 15時