最終病棟【d!】

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貴方side



『、、でも家具とか無いんですか？』


「単に邪魔やからやろ。とんち今成長期なんにご飯食べちゃ駄目らしいから、家具とかかじったら危ない、、ってこともあると思うけど？」


『お腹空いたら家具かじるんですか？！』


「ゾムはヤバイぞ〜？アイツ一回フォークごと飯食ったことあるからな？」


体に良いのかそれは！？
そんなことを思いながらもトントンさんを見る。
目とかはあるけど、口が見当たらないし、排泄とかどうしているのだろうか。
ってかこれじゃまともな生活出来てないだろ。


『ちなみに、、この増えた部分って切っても良いんですか？』


「まぁ前までは切り取ってたんやけど、キリが無いからって途中から放置されてるな。ちな、僕が怪我したときはとんちの細胞少し貰って、怪我した所に移植して治してたな。意外と修復力強いねん。」


『はぇー、、。』


そんなことを話していたら、トントンさんをニギニギしていた手を止めて、少しお話を聞く。
なんでも、トントンさんはここに来て2番目位に長く、そしてまだ未成年との事だ。


「僕が来たときはまだ人間の形保ってたんやけどな。医者に放置されてからはどんどんと形が変わってきて、今に至ります。表向きでは超回復だとか、不死身だとか、色々言われとったけども。」


「Aちゃんは違うかもやけど、医者って結局そんなもんよ。綺麗事の裏には薄汚い欲望が貼り付いてる。その欲望がなんであれ、それの被害を被るのが僕ら患者なんよね。」


「結局、俺らは治る治らない以前に、前例がないから何も出来ないし、何か出来たとしても今後の実験台になること間違いないんよ。早々に見切り付けちゃって、特に来たいもせずに楽に生きればこれ程幸せなもんは無いで？」


そう淡々と語っている鬱さんの横顔は、少し寂しそうな感じだった。











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続く

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