最終病棟【d!】

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貴方side



「俺は、、まぁ簡単に言うとゾンビだね。」


『、、、？』


「あー、、もっと細かく説明をするんだったら心臓が止まってるんだ。だけど何でか動けるの。俺、一度違う病気でﾀﾋんだんだけど、なんか生き返ってね。それからはずっと生きる屍です。」


規格外じゃねぇか。
説明を受けてもなお、意味が分からず混乱する。
一度ﾀﾋんだのに、生き返るなんてあり得る？
あり得無いからここにいるんだろうけど。


「細胞は呼吸をしないから定期的に酸素チューブを体に刺して酸素を体に巡回させる。ﾀﾋ後硬直も筋肉緩和剤とか注入して動けるようにしてるんだ。」


『、、ってことは細胞はまだ生きてるんですか？』


「俺も良く分かんないけど、こうやって目の前のものを見たり、聞いたり出来るからまだ生きてるんじゃ無いかな？」


『ヒーラ細胞じゃないすか。すげぇ。』


ひとらんらんさんの説明分かりやすい。
ってか心肺停止してるのに日常生活出来るのは現代の医学でも到達出来てなくないか？
普通に凄い。


『ちなみに解剖ってやっても、、？』


「駄目です。何考えてんの。」


惜しいな。
ひとらんらんさんの体の仕組みとか細胞とか、そういうのが採取できたらどれだけ医学の進歩に繋がるか。
まぁ本人が駄目って言ってんなら無理強いは出来ない。
今度寝てるときに髪の毛一本拝借しよう。


「その点で言うと、俺は大先生と似てるのかもね。」


そう聞いて確かにと納得する。
鬱さんの細胞が増えない病気と、生命活動が終わっても生き続けるひとらんらんさん。
どこかで共通点があるのだろう。


『、、やっぱり奥行きが深いね。この世界は。』


「どしたん？Aちゃん。」


「頭の方にまだ毒残ってたんじゃない？」


辛辣だな。


続く

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